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博士号の意味と責任

 皆さんの中にも私同様に博士号を取得されている方おられるかと思います。私の場合は、社会人ドクターコース修了者で、分類上はいわゆる「論博」ではなくコースドクターです。論博論文博士)はその名の通り、大学ごとの規定に沿った学術誌等に論文を規定数投稿して教授会の審査を受けることで取得できます。したがって、大学に在籍する必要は無く、単位の取得といった制約もありません。なので、社会人になってから博士号を取得される方は業務との関係もあってほとんどはこのパターンになります。

 これに対して、コースドクターは入学試験に合格して大学に在籍し、単位を取得する必要があり、当然入学金や授業料の負担があります。このうち、社会人ドクターは既卒(通常は修士卒)の社会人を対象にしたものとなりますが、基本的な部分はいわゆるドクターコースの学生と変わりはなく、様々な講義に出席したり学割なども使えたりします。実際私も何度か使わせて頂きましたが、代替は最初怪訝そうな顔をされ、学生証を見せる納得頂けます。最も大きな違いは、研究の主体が大学の研究室ではなく、属する企業の中ということが多い点と言えます。ただし、定期的に大学にも行き、所属研究室の教授の指導なども受けます。

 一時期論博の乱発とも言える状況が起きたこと(この背景には色々と難しい問題があるのですが、それはまた機会があれば書いてみたいと思います)や、大学教員の中には付け届けと言いますか、博士号取得に当たって審査料以外に謝礼を要求するケースなどが見られ、ある時期を境に各大学とも論博の条件を厳しくして、中には原則としてコースドクターしか受け付けないという所もあるようです。

 

 さて、そんな博士号ですがいったいどんな意味があり、社会に対してどんな責任を持っているのかということを考えたことがある方は少ないと思います。博士号の定義は色々なものがありますが、基本はそれまでになかった新しい発見をして、学問としてまとめることが要求されます。もちろん、そのレベルはノーベル賞級のような大きなものに限定される和かではなく、泥臭いものまで様々です。要するに学術的に意味があるのか、その分野の進歩発展に寄与するかどうかというような点が重要となります。

 

 サイエンスのミッションは社会への貢献であるというのが私の考えの一つなのですが、博士はサイエンスの先端にいるわけですから、当然社会への貢献が必要だと考えています。それはどのような貢献かと言うと、要求される最大の貢献は人類の叡智の拡大です。下図のように、ある時点での人類の叡智を円で表します。

 

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 博士に要求されるのはこの円を突き破ることです。すなわち、

 

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こんな風に。

 

 そして、これが繰り返されることで人類の叡智は一段階拡がり、さらにその繰り返しで直径が一回り大きくなって人類の叡智が進歩して、社会の発展が実現します。

 

 従って、博士号の意味とはこの人類の叡智の円の中にあるのではなく外にあり、外に向かって限界を突き破ることにこそあると言えます。そして、それを行うことが博士号取得者の条件であり、責任と言えます。

 

 ジャパン・リサーチ・ラボもこんな風に限界を突き破るお手伝いをすべく、日々努力しています。