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FTIR-ATRって何ができるの?(FTIR-ATRとは)

 ATR法は、赤外分光法のたくさんある測定法の一つで、全反射法などとも呼ばれています。従来はきれいなスペクトルを得るだけでも熟練が必要でしたが、近年では一回反射型アタッチメントが開発されて、赤外分光法でもっとも使用されている測定法の一つになっています。例えば、局方の正式な測定法としても登録されるようになりました。

 

 ATR法は、表面から数百nm~1ミクロン程度までの領域を主に評価するものであり、赤外分光の方の中では表面分析に分類される測定法です。もちろん、赤外分光法の特徴である化学構造解析、官能基解析を行うことができます。表面という定義も色々あるので、XPSでのような数nmという極表面には及びませんが、塗膜の劣化などの解析ではちょうど良い測定領域を評価できると言えます。

 

 では、このような特徴を持つFTIR-ATRは一般にどのような用途に使われているのでしょうか。最も大きな特徴である有機物の化学構造、官能基の解析ができることから、表面劣化や、表面改質等の解析に多く用いられています。前述のように確かにXPSには表面敏感性は太刀打ちできませんが、逆に少々の汚染であれば影響を受けないとも言えます。したがって、塗膜の耐候性劣化試験などのように、自然環境に置かれた試料や、塩水などを吹きかけながら試験した試料であっても評価することができます。

 

 また、劣化解析だけでなく、反応解析などでも用いられています。これは化学構造や官能基の情報が得られることを利用しています。ただ、反応解析ではわざわざATR法を用いる理由は基本的にはありません。しかし、かといって透過法などの他の測定方法では吸収の飽和などの問題のために逆に測定上の制約が発生するという問題もあるため、ATR法が用いられることが多いのが実情です。さらに、反応解析においては、FTIR自体が大気中など様々な環境の開放系や密閉系で測定可能な点も有利に働きます。例えば、窒素雰囲気での測定や、紫外線を当てながらや温度をかけながらのリアルタイム測定も容易に可能です。

 

 このように、FTIR-ATRは表面における化学構造、官能の評価に用いられています。

 

 FTIRやATR法の原理や測定、解析のコツなど、より詳しい情報はジャパン・リサーチ・ラボホームページのFTIRのページをご覧ください。また、分析に関するご相談や指導のご相談、通信講座のご相談などはこちらへ。

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