JRLテックログ

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耳に心地よい言葉に逃げない、騙されない

 世の中には色々な言葉(単語、キーワード)があります。その中には、専門用語、略語など一度聞いただけでは意味の分からないものもあります。例えば、ベンチャーの世界ではやたらとカタカナ語やアルファベットの頭文字を取った略語が使われます。一例をあげると、「MVP」という言葉があります。これを聞いてほとんどの方は、 Most Valuable Player(最高殊勲選手)を思い浮かべると思います。しかし、ベンチャーの世界でこの単語は、Minimum Viable Product(実用最小限の製品)を指しています。意味は、最小限の実行可能な製品で、近い言葉で身近なものを上げると「プロトタイプ」があります。この他にも挙げればキリがありません。

 

 これらの単語で気を付けないといけないのは、非常に耳に心地よい、使っている方も、聞いている方も何となく意味を理解している、適切な表現になっているという風に感じてしまうということです。漠然としか理解できていない、明確なイメージが出来上がっていない、具体的でない認識状態であるにもかかわらず、きれいにまとまった耳に心地良い言葉に惑わされてしまうということです。

 

 一方で、もう一つ気を付けないといけないのは、略語等ではありませんが、一見的確に表現できていると感じてしまうものです。例えば、目標設定などで頻出する、「推進(促進)する」、「向上する」、酷い時には、「目指す」などと書かれてしまうこともあります。目標は具体的でなければなりません。具体的でなければ、達成の評価ができないからです。しかし、これらはすべて全く具体的ではありません。「促進する」などと言ってしまえば、何かを少しでもやればOKと言えばOK、「向上する」も少しでも改善が見られればOKと言えばOKということになってしまいます。

 

 言われてみればその通りだと感じて頂いた方も多いかと思いますが、一方で現実にはこのような表現が横行しています。そして、言っている方も、聞いている方も分かっている、理解しているという錯覚に陥ります。良く言えば「阿吽の呼吸」とも言えますが、世の中はそんなに甘くはなくて大抵は意図は伝わっておらず、そもそも言っている方も自分の意図が明確に認識できていない状態ということになってしまいます。

 

 是非、これを機会に耳に心地よい言葉でうわべだけまとめるのではなく、もっともっと掘り下げて、具体化していくことを心掛けて頂ければ、誤解も生まず、コミュニケーションが円滑に進めることができるでしょう。

 

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