誰しも人生や仕事上で成功したいと望むものであり、そのためには成果を出さなければなりません。しかし、残念ながらこうすれば必ず成果が出せるという魔法のような方法はありません。しかも、時には運も必要になります。とはいうものの、これだけは持っているべき能力というものがいくつかあります。
今回は、ドラッカーが挙げている、成果を出すために必要な4つの基本力について書いてみたいと思います。
まず、一つ目の成果を出すために必要な能力は、「認識力」です。これは、別の言い方をすると「発見力」と表現することもできます。すなわち、チャンスやビジネスの芽、問題解決のヒントなど様々なものを見つけ出す能力です。どんなに素晴らしいチャンスが巡ってきていても、目の前にヒントが落ちていても、それに気付くことができなければ存在しないのと同じことです。そう、幸せの女神はこちらから声をかけなければ通り過ぎてしまいます。
ではこの能力を育て発揮するためにはどうすれば良いでしょうか。最も重要なことは、常にアンテナを伸ばしている事、探す意識、見つける意識を持つことです。そして、眼に入ったもの、耳に入ったもの全てが価値あるもの、または、そこに価値や意味は無いかと常に考えることです。この時、対象を一側面からだけ見るのではなく、多面複眼的に様々な観点で見ることが重要です。そうすることで、よろ多くの価値や意味を見い出すことができます。
二つ目に必要な能力は、「構想力」です。これは別の言い方をすると「発想力」と表現することもできます。認識力でチャンスや芽、ヒントを見つけられたとしても、それらは必ずしも100点満点のそのままゴールに導いてくれるようなものとは限りません。ほとんどの場合には、それらをスタートとして、自らのアイデア加えて、ブラッシュアップして、芽を育てなければなりません。この時に必要になるのが構想力です。言うなれば、ヒントやぼんやりとしたアイデアを具現化するプロセスを進める力です。
ではこの能力を育て発揮するためにはどうすれば良いでしょうか。一つには、アイデア具現化の糧となる知識や経験を積むことです。アイデアとは決して無から生まれるものではありません。それまでに得た知識や経験をとっかかりやヒントとして創出されるものです。また、認識力によって見い出した芽やヒントを理解して、料理するためには知識や経験は必要不可欠です。加えて、ここでも多面複眼視点による多次元的な思考が重要となります。発見した芽やヒントに対して、様々な価値や可能性を見い出すことで、文字通り発想の幅を拡げることができます。
三つ目に必要な能力は、「構築力」です。これは別の言い方をすると「計画力」と表現することもできます。いくら高い認識力で良いヒントや芽を得て、そこから素晴らしい発想力でアイデアを拡張したからと言って、全ては机上のレベルでしかありません。成果とするためには、これらを具体化していくことが必要不可欠です。具体化していくためには、
- ゴール設定
- 課題整理
- ToDo洗い出し
- リソース確保
- 戦略策定
- 計画策定
- 実行
といったプロセスを回す必要があります。構築力では、特にゴール設定から計画策定までのプロセス、PDCAで言うならば「P」に相当する部分を具体化することになります。すなわち、プロセス設計力という言い方もできます。
ではこの能力を育て発揮するためにはどうすれば良いでしょうか。当然のことながら、上記プロセス要素である、ゴール設定力、課題整理力、戦略思考、計画力などが必要になることは言うまでもありません。より具体的には、ゴール設定力では目的の可視化、目標の設定など、課題精力では課題設定力や課題解決力などが挙げられます。この他にも、リソース確保のためのネゴシエーション力や、承認を得るための提案力なども必要となるでしょう。また、プロジェクトチームの編成なども含めた実行のためのシステム構築力も必要となります。
四つ目に必要な能力は、「運営力」です。これは別の言い方をすると「実行力」と表現することもできます。いくら良い戦略や計画が策定できたとしても、それらが決めた通りに実行できなければ絵に描いた餅でしかありません。具体化された計画を、目に見える形の成果として実際に具現化していく力が運営力と言えます。実際の場面では、必ずしも計画通りに事が進むとは限りません。どちらかと言えば、予定通り進まない、想定外のことが起きると言ったことが発生します。そんな時に発揮されるのも運営力です。
ではこの能力を発揮するためにはどうすれば良いでしょうか。まず重要なことは前述の構想力、計画力を十分に鍛えて、実行可能であり、かつ、成功確率の高い計画を策定することが重要です。そもそも破綻した計画ではこの運営力を発揮することはできません。その上で、様々な経験を積むことが重要です。計画を如何に練ったとしても前述のように想定外のことはいつでも起こり得ます。そんな時の対応力が運営力の中では重要です。そういう意味では特に「良い失敗」の経験をたくさんすることが重要と言えます。また、実行段階においては様々な関係者が登場するようになります。従って、コミュニケーション力やネゴシエーション力を鍛えることも必要でしょう。もちろん、マネジメント力も必要なことは言うまでもありません。
今回はドラッカーの言葉も借りながら、そこに私自身の経験も含めて成果を出すための基本力として、認識力、構想力、構築力、運営力の4つについて書かせて頂きました。
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