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戦略策定において検討すべき5要素(BASCS)

 従来から戦略の重要性はことあるごとに言われてきていますが、現代のように社会システムが複雑化し、変化が激しい時代においてはより一層その重要性は増していると言えます。そのため、戦略策定における様々なことが多くの研究者たちによって提唱されています。その中で今回は、「BASCS」と呼ばれる戦略5要素について書いてみたいと思います。

  最初のBは、「Battle Filed」のBです。すなわち、戦場となるマーケット、ドメイン、セグメントなどをどう選択するかということです。もちろん、勝てる、勝ちやすい戦場、例えば、いわゆるブルーオーシャンを選択することが理想的です。しかし、そのような戦場を見つけることは容易ではなく、確実に勝てるなどということは言えないことを誰もが知っています。従って、時には自分たちで新たに「場」を作りだすということも必要になります。この新しい場を作るという中には、欧米に比べて日本が不得意である、勝てるルールを作るという方法も含まれます。自分たちに有利な、勝ちやすいルールを決めてしまって、自分たちの土俵で勝負するという考え方です。

 詳細はこの後のところで述べることになりますが、勝つためには勝てる要素となる強さ(強み:Strength)とその源となる武器(Asset)が必要となります。素手で刀や銃に勝つことは至難の業です。戦場に見合った強さと武器が必要となることは当然のことです。

 

 Aは、前述の「Asset」のA、すなわち、武器(となる資産)です。選択した戦場に見合った武器を持つことが勝てる条件の一つです。具体的には、技術、機能、性能、ブランドなど様々なものが考えられます。ここで重要なことは、戦場や適に合った、適材適所の武器を持つということです。例えば、いくら戦車が強力な武器だからと言って、砂漠のど真ん中に持ち込んだり、スピードが要求される戦場では的にされてしまうだけです。従って、どのように戦うのか、何で勝つのかということを見極めることが、適切な武器(Asset)を持つために必要不可欠であると言えます。

 また、相手の武器を知ることも重要なことです。特に情報がカギを握る現代においては、大切です。さらには、一つの武器だけでなく、複数の武器を持つことも有効な手段です。一つ目で苦しい戦いとなったのであれば、二つ目、三つ目の武器を取り出すのです。具体的には、いわゆるパイプライン、オプションを用意するということです。

 

 Sは、「Strength」のS、すわなち、強さです。いくら強力な武器を持っていても、それを使いこなせなければ意味はありません。この武器を使いこなす力が、Strength、強みです。ただし、強み(Strength)と武器(Asset)は一体のものであり、武器によって強みが生まれ、強みによって武器はその威力を発揮します。言うなれば、ここでいう強みとは明確に定義できるものではなく、武器も含めた結果として出てくるものということになります。従って、戦略を策定する上では、どこまで攻めるか、どこを責めるかを決める重要な要素になるものです。

 

 Cは、「Customer」のC、顧客、ユーザーです。言うまでもなく、戦略策定においては、ユーザーを無視することはできません。どのような階層、セグメントのユーザー層をターゲットとするのか、彼らが何を求めているのかということが戦略の起点であるゴールになります。もっと言うなら、その起点とゴールを結ぶものが戦略であるということになります。

 

 最後のSは、「Selling Message」のSです。これは、最終的に生み出すモノによって何を伝えるのかということです。ここでいうモノとは、商品、サービスなど様々なアウトプットになるものです。顧客(Customer)に対して、何を約束するのかという言い方をしても良いでしょう。特に現代のようにモノがあふれている時代においては、どのような商品、どのようなサービスであれ、メッセージ性が無ければ認知してもらうことすらできません。言うなれば、ストーリー性が必要になるということです。そういったものも、戦略策定の要素として取り込んでいかなければなりません。

 

 以上が、「BASCS」として定義されている戦略策定の5要素になります。もちろん、戦略策定の要素はこれだけではありません。それらについては、また別に機会に書いてみたいと思います。

 

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