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問題の分類(問題の本質を見極めて解決のヒントを得る)

 業務上だけでなく、世の中には様々な問題があります。問題とは、適性状態とのズレであると言えます。そして、日々そのズレを解消すること、問題解決の方法を模索している状態であるとも言えます。今回は、そんな日々悩まされている問題を3つのカテゴリーに分類する考え方について書いてみたいと思います。

  一つ目は、最もオーソドックスなタイプとも言える「原状回復型」です。このタイプでは、すでに問題は発生しており、顕在化しています。したがって、言うなれば問題はすでに見えている状態であると言え、問題そのものである元の状態(原状)とのズレを確認して、その乖離状態を解消する方法を考えることになります。そのため、比較的アプローチしやすいタイプであると言えます。ただし、一見して目に付く問題が乖離状態を発生させている真の原因となっているわけではないこともしばしばあります。逆に、目に見えるうわべに惑わされるという危険性があります。また、アプローチの取っ掛かりが他のタイプに比べて相対的に分かりやりやすいと言うだけで、解決が容易かどうかとは別問題です。

 このタイプの問題解決では、何が原因として現在の状態になっているのか真の原因究明と、元の状態に戻すにあたってのハードルをまず考えていくことになります。その上で、そのハードルを越えるための方策、すなわち、問題解決策を考えて実行していきます。また、問題が一つではないことはもちろん、一つの問題を解決しても、新たな問題が発生することもあります。重要なことは、個々の問題を解決することではなく、現状に回復できたかどうかということを忘れないことです。

 

 二つ目のタイプは、少々厄介なタイプで「潜在型」と呼ぶものです。まだ問題自体は顕在化しておらず、一見すると平常状態、正常状態を維持しています。しかし、このまま放置すると、何かのきっかけで顕在化する、臨界点に達して問題が発生する可能性が高い状態であると言えるものです。すなわち、厄介な理由は問題自体はまだ見えていない、一見すると現状は問題が無いに見えるということです。しかし、見えていない、顕在化していないだけで、問題自体は間違いなく存在しているということです。従って、気付かない、見落とすというリスクがあり、将来に大きな懸念を与えるものであると言えます。

 このタイプは、見落としが無いように様々な観点で対象を観察、検証して、潜在的課題を洗い出すことが重要です。また、どこにでも問題は存在している、常に問題のためは目を出すチャンスをうかがっていると認識することです。このタイプへの基本的対応は大変難しいのですが、前述のように問題は常にあるという意識のもとに、危険予知の視点で問題が起こり得る可能性を常に探すということになります。

 

 三つ目は、「理想追求型」とでも言えるタイプの問題です。現時点では、顕在化もしておらず、潜在的にも問題は潜んでおらず、現状で良いという対象において、より高みを目指す、改善追求型とでも言えるものです。従って、このタイプの問題の本質は、冒頭で定義した適性状態とのズレではなく、理想状態とのズレということになります。このタイプの場合には、まず目指す理想状態、すなわち、ゴールを明確に定義するということが重要です。ゴールが明確に定義できていないと具体的な行動に移すことができずいつまでもゴールにたどり着けないだけでなく、ズルズルといつまでも対応が継続して泥沼に入り込んでしまう危険性があるということです。しかし、理想状態の定義は容易ではなく、ダラダラと進んでしまう可能性があるので、理想状態(ゴール)は可能な限り定量的に定義して、期限、計画を共に明確にする必要があります。また、本当にその高見(ゴール)を目指すことに価値があるのか、必要なのかということを客観的に判断する必要があります。単なる自己満足、欺瞞の産物としての理想状態であればリソースに浪費につながってしまいます。そして、もう一つ付け加えるなら、目指す理想状態は状況によって生き物のように変化する点にも注意しなければなりません。

 

 以上のような考え方で問題をタイプに分類して考えると、対策も立てやすくなりますので、自分たちの相手にする問題あった分類を考えるというのも良いでしょう。

 

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