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会議における合意形成とは何か、そして、合意を得るためのプロセス、方法

 多くの企業で毎日数多くの会議が行われていることと思います。役職が上がれば会議の数も増えていき、私自身もサラリーマン時代の部長以上の役職の時、ひどいと1日中何らかの会議に出席して終わるなどということもありました。会議の目的にもさまざまなものがありますが、大部分は何かを決めること、すなわち、出席者の合意を形成することであると言えます。しかし、残念ながら多くの会議では、形式だけの決定であったり、不満を抱えたままの結論で終わったりと、本当の意味での合意形成が行われないまま終了することがしばしばです。これでは、会議の意味はなく、時間と労力の無駄遣いにしかなりません。

 では、本当の意味での合意形成とは何か、そして、合意を形成するためのプロセス、方法、考え方とは何か。今回はこれについて書いてみたいと思います。

  合意形成とは何かついて考えると、言葉の定義上は、

 「主に説明や議論によって、利害関係者の意見の一致を図ること

と表現することができます。要するに、複数の関係者が一つの意見に集約されることであるということです。別の言葉で表現するならば、「納得」(他人の考え・行為を理解し,もっともだと認めること。(大辞林))を得るということになります。良く似た言葉に「説得」がありますが、こちらには、「説き伏せること、意に沿わないことに同意させること」といったニュアンスがあります。したがって、本心から承認を得ることを言うことになります。

 

 上記の説明から、合意形成においては納得を得ることが第一歩であることが分かります。では、納得を得ればそれでよいかということ、通常はそうではありません。本当に目指すべき合意形成のゴールは、相手に納得して、さらに、行動を起こしてもらうことです。要するに、分かった、分かったけれど、とならないようしなければらいけないということです。すなわち、合意形成後の相手の行動に変化を起こすことが最終目的、ゴールということができます。決済を与える、協力行動をとるなど、本来の自分の目的(合意形成をしたい目的)達成に必要な行動につなげることが合意形成のゴールです。

 

 では、そのような合意形成を得るためにはどのようなプロセス、方法をとればよいでしょうか。最も必要なことは、納得するために必要な情報を提供することです。まず思いつくのは、合意形成することによる相手の利点です。やはり人は自分にとって利があると判断した時には動きやすいものです。また、「」があるときにも人の意識は動きます。すなわち、社会的に利がある、必要性があると判断されるようなときです。このように、プラスの意味を持つ情報は合意形成においては必須である言えるでしょう。

 一方でこのとき注意しなければならないのは、プラスの良い情報、耳心地の良い情報だけでなく、マイナスの情報も提供することです。世の中の大部分の事象は表裏一体であり、一方でプラスであれば、他方ではマイナスであることがほとんどであり、多くの人は経験的にそのこと知っています。したがって、良いことばかりを言われても、仮にそれが事実ばかりであったとしても、人は疑念を抱いてしまいます。したがって、仮にそれが直接的には大きな意味を持たないことであったとしても、マイナス面もきちんと情報提供することが必要であると言えます。

 

 会議とはそもそも情報共有の場でもあります。したがって、上記の情報共有のプロセスは本来の会議のプロセスが実行されていれば自然となされるはずのものでもあります。しかし、実際には不要な情報が羅列されることで時間が浪費されて、必要情報を共有する、提供する時間が削られ、さらには、議論をする十分な時間が無くなるという状況が散見されるのです。

 

 そのような状態に陥らないためには、十分な準備を行い、正しい会議運営を行うことが必要となります。周到な準備、適切なアジェンダ、参加者の選択、ファシリテーターの采配、議事録を含めた記録、会議後のフォローなどです。会議の運営については、また機会があれば書いてみたいと思います。

 

 合意形成は容易なことではなく、時間と労力が必要となります。投資したリソースを無駄にしないためにも、確実に合意形成を実現して、その後の行動、実行につなげることが必要です。

 

 効率的な会議を行いたい、皆が納得する合意形成を実現したいというときは、ジャパン・リサーチ・ラボにお任せください。ご相談はこちらへ。

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