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コスト管理の原則(如何にしてコストをコントロールするか)

 事業活動をしていく中ではいくつもの管理因子がありますが、その中でも全てに関わり、上位の重要要素と言えるのがコストです。現代のように市場の要求がシビアになって、かつ、競争も激しい中では如何にしてコストを低減するかは最重要経営課題の一つであると言えます。しかし、現場の声はすでに絞ったぞうきんを絞っても何も出てこないという悲鳴ばかりです。確かに、すでに様々なコスト低減努力がなされているのは事実です。とはいうものの、現実に目をやるとその雑巾の絞り方は正しいのか、本当に絞れているのか、絞るべきところを間違っていないかと感じられることも少なくありません。

 そこで、今回はコストというものについて詳しく見ていきたいと思います。

  コスト管理において、まず認識しておかなければならないことは、

努力と効果は必ずしも相関しない

ということです。しかし、現実にはこの基本原理とでも言えることがきちんと理解できていない場面の数多く出会います。そのため、これだけ辛い思いをしているのになぜ効果が出ないのかと感じ、そして、挙句には現場の努力が足りないという大いなる誤解が生まれています。

 従って、コスト管理においてこそコストパフォーマンスを重視しなければならないということです。

 

 では、この基本原理から導かれるコスト管理における第1番目の原則は何か。それは、「大きなコストに集中する」ということです。前述のようにコスト管理において努力と効果は必ずしも相関しません。従って、小さなコストからスタートするのは割に合わないリスクがあるということです。そして、何よりも小さなコスト低減では十分な効果が得られるまで時間がかかることに加えて、必要な努力もちりも積もればで増えていきます。このような状態は、モチベーションにも影響してきます。やはり明確に目に見える効果が現れれば、次へのモチベーションとなります。

 従って、コスト管理においてはまず大きなコストに注目して、一定以上のリターン効果が得られるような考え方をする必要があります。確かに、大きな効果を得ようと大きなコストに手を付けるにはそれなりのリソースも必要になるでしょう。しかし、大きなコストが低減できた時の効果は確実なインパクトを持っています。

 

 二つ目のコスト管理の原則は、会社全体で考える(全体最適ということです。部署単位で出来ることには限界があるということはもちろん、コスト管理は全体最適という考え方が必要不可欠と言えることからも、会社全体で考えなければなりません。ただ、全体で考える場合には大きなハードルが立ちはだかることがあります。それは、「セクショナリズム」、部署間の軋轢です。どうしても、全体最適とはいうもののどうしても部署間で必要となる努力と得られる効果にはバラつきが出てきます。やはり、どの部署においても、もっと言えば、自分自身に対しての「利」が大きいことが望ましいと考えます。本来はこのような考え方こそ全体最適の妨げになるのですが、人の心理としてある程度避けられないところはあります。

 ではどのように全体最適、会社全体視点でのコスト管理を進められば良いでしょうか。最も効果的な方法は、トップマネジメントが旗振り役、調整役となって部門、部署間の調整を行うことです。具体的には、トップマネジメントのボードメンバーがプロジェクトマネージャーとなって全社プロジェクトとしてコスト低減を目的としたコスト管理プロジェクトを実行することです。

 

 三つ目のコスト管理の原則は、種類に分けることです。コストと一口に言っても様々なものがあります。柔軟度の高い、比較的手を入れやすいコストもあれば、硬直的で固定的なコストもあります。また、自分たちの意思でコントルールしやすいものもあれば、外部環境の影響を大きく受けるコントロールしにくいコストもあります。そして、前述のような全社にまたがるもあれば、部署や個人に帰属されるようなローカルなコストもあります。この他にも様々なものがありますが、当然のことながらこれらを同じ土俵、同じ考え方で管理、コントロールすることは適当とは言えません。

 従って数多くあるコストを様々な視点で分類して、それぞれの影響要因を洗い出し、それぞれに合ったアプローチで管理することが効率的で効果的なコスト管理の考え方ということになります。

 

 この他にも、流通チャネル全体で社内だけでなく社外にも目を向けることや、当然のことながら不要不急のコスト活動を停止する、などの具体策も挙げられます。多くの場合、売り上げや利益などのインプットは外部要因による影響を排除することが難しく、アンコントローラブルで管理しにくいということができます。一方で購買や人件費などのアウト(支出)要因はインプットに比べればコントローラブルであると言えます。従って、まずはコントローラブルなコストに対して、前述のような原則を当てはめて管理を進めることが重要です。

 

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