別稿でイノベーションやアイデアを生み出したいときには、環境をはじめとして様々な条件を整えることが重要であるということを書きました。しかし、なんでもかんでも揃えればよいのでしょうか。決してそんなことはありません。では、何を揃えれば良いのでしょうか。
今回は、イノベーションやアイデアを生み出すために準備しなければならないものについて書いてみたいと思います。
人間はどうしても楽な方に流れてしまうものです。不自由がなく、不満が無ければ人は努力や工夫をしようというモチベーションを失っていきます。必要は発明の母、という言葉もありますが、人は何らかの欲求を満たそうとしたとき、モチベーションを持って、工夫や努力を行うものです。
適度な不自由や渇望感、満たなされない欲求が残っていることも、イノベーションやアイデアを生み出す原動力になります。そして、より良い状態、一般的に上を目指すという姿勢も重要です。例えば、適度な競争環境というのも一つの選択肢となるでしょう。
また、現状に大きな不満が無かったとしても、より高みを目指したいと思える環境も重要です。なぜならば、そういう環境の中で人は成長することができるからです。現状でも十分与えられた業務を行うことはできるという状況にあったとしても、もっと効率的に、より良い結果を求めていく意識を生み出す環境が重要です。例えば、インセンティブはその最たる例と言えるでしょう。
そして、インセンティブと共に、努力が報われる環境であるということも大切です。努力せずとも満足できるリターンが約束されているのであれば、努力する理由はなくなってしまいます。また、努力、工夫して早く仕事を終わらせても、次々仕事が増えていくだけで特段の評価が成されなければ人は努力することを避けるようになります。すなわち、逆インセンティブが働くことになります。このような状況を生まないためにも、努力が適正に評価される環境というのが重要であると言えます。
イノベーションやアイデアを生み出すためには、適切な環境を作り出す、これが全ての土台になるということです。
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