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正しい報連相の方法、仕方

 企業で仕事をしていると、いくつか耳にタコができるほど聞かされる言葉があります。例えば、報連相、PDCA、KYなどなどが挙げられます。もちろん、この他にも企業ごとに独特の言葉というものも存在します。そんな中で、報連相は特によく耳にする言葉の一つと言えます。

 そこで、今回は報連相について、正しい実行の方法を書いてみたいと思います。

  報連相は、もちろんみなさんご存知のように、「報告」、「連絡」、「相談」の三つの言葉を合体させた造語です。日常業務における情報共有、コミュニケーションの基本についての言葉であることはご承知の通りです。私も新入社員の頃に初めて聞いたときは意味が分からず、どうして野菜の名前が出てくるんだろうと思ってしまったものです。一見おもしろ造語のようにも見えますが、その実は、業務遂行においてきわめて重要なものと言えます。

 ただ、残念ながら多くのケースでは、「報連相とは、報告、連絡、相談のことである」、「報連相をきちんとしなさい」といった程度の説明されていないというのが実情ではないでしょうか。そして、新入社員の頃こそ口酸っぱく言われますが、3年も過ぎると耳にしなくなるのではないでしょうか。果たして、どれだけの人が報告、連絡、相談の違いをきちんと理解しているでしょうか。

 

 まず、「報告」は何かの結果や中間状態、そして、トラブルなどの事象や、アイデアの提案といった情報を伝えることを指しています。ここで、報告という言葉の定義を改めて確認すると、

「つげ知らせること。特に、研究や調査の結果、与えられた任務の結果などについて述べること。また、その内容。」(大辞林

となります。

 したがって、業務の中では最も頻繁に発生するのがこの報告であると言えます。実際に実験や検討の結果報告、出張報告など様々なものがあります。ただし、ここで重要なことは、報告とは単に右から左に情報を動かすこと(これは後述する「連絡」になります)ではないということです。すなわち、自らの考えや判断を含めて伝えることを報告と言います。しかし、世の中には報告と称していながら実は報告になっていないことが往々にして見られます。例えば、結果報告と言いながら、「こんな結果が出ました」というような報告しかしていない、出張報告と言いながら、「こんな展示がありました」というようなことしか書いていないなどです。これでは、報告になっていません。前者であれば、「こんな結果が得られ、このように考えます(解釈します)」、後者であれば、「こんな展示があり、これを導入すればこのような効果が得られます」ということが望まれます。

 報告では、自らの考え、解釈、そして、結論を述べることが重要です。

 

 報告に対して、「連絡」は全く異なり、事実をありのままに伝えることを指しており、「伝聞」とも言われるものです。報告と同様に言葉の定義を確認すると、

「関係の人に情報などを知らせること。」(大辞林

とあります。また、伝聞についても調べると、

「話し手自身の判断でなく、人から聞いたこととして述べる言い方。」(大辞林

とあります。

 すなわち、報告との大きな違いは、前述のように事実を伝えることが重要であり、自らの判断でそれを歪曲してはならないということです。したがって、誰かからの指示などは連絡ということになります。この定義に照らせば、先に述べた間違った出張報告などは出張伝聞(連絡)となってしまっているということになります。

 

 最後の「相談」は、相手に対して何かを提供してもらいたいことを伝えることを指しています。同様に言葉定義としては、

「物事を決めるために他の人の意見を聞いたり、話し合ったりすること。また、その話し合い。」(大辞林

となります。この定義においては、相手の意見、考えの提供を求めているということになります。

 相談において重要なことは、何を求めているのかということを明確にするということが第1のポイントとなります。ただし、これだけでは相手に対して求めているだけであることに注意しなければなりません。特に、業務における相談は上司等にすることになりますが、その主な内容は、リソース(予算、時間、設備、人など)に対するものです。したがって、単に望むだけでは決済はできないので、その効果を同時に伝えることが重要となります。例えば、時間であれば多くは期限の延長なので、それによって結果がどれほどアップするのか、設備であればそれによってどれほど効率的になるのかなどが該当します。

 

 このように、報連相の中身は、明確は分かれており、それぞれをきちんと使い分けなければなりません。

 

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