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なぜ会議を行うのか(会議の必要性と期待する効果)

 どの企業でも会議は日常的に行われており、会議のない会社というのは目にしたことがありません。一方で、会議は無駄なもの、時間を浪費するものなどネガティブな表現をされることが多いのも事実です。にもかかわらず、前述のように会議を重ねるのはなぜでしょうか。そこには、会議に期待すること、会議でないとできないことがあると考えているからであり、それこそが会議を行う理由であると言えます。

 そこで、今回はそんな会議を行う理由ともなる会議に期待されることについて書いてみたいと思います。

  別稿で会議には大きく分けて、「情報共有」、「決定」、「調整」、「イデア出し」の4つの目的があると書きました。すなわち、これらの目的のいずれか、または、複数を達成するために会議やディスカッションは行われるということです。これらの目的について、期待される結果、成果という視点で掘り下げてみたいと思います。

 

 一つ目の情報共有とは、言い換えると、お互いの持っているものを提供し合って、最終的に一つの結論に至ることと表現できます。すなわち、「相互理解」が情報共有という目的において、求められる成果ということになります。したがって、情報共有のための会議やディスカッションは、最終的に相互理解するために行うと言えます。ところが多くの会議では、互いに情報を吐き出すだけで、相手の出したものを理解しようという努力が足りません。そのため、うわべの情報としては分かったような気にはなっていますが、結局のところ相手が何を言わんとしているのか、何を求めているのかということを考えていないということになります。このような状態では、本来求められる成果である相互理解という状態に至ることは困難です。

 したがって、会議を有意義なものとするためには、相手の発言の奥にある本当に言わんとしていることを利用しようとする努力、そして、自分が言わんとしてることを相手が理解できるように発言することが重要であると言えます。

 

  二つ目、三つ目の調整、決定は、最初はバラバラの意見、スタンスであった参加者が一つの結論に至ると言うことができます。しかし、互いに異なる人間である以上異なる意見を一つにまとめることは容易ではありません。そのため、多くのケースでは多数決が用いられたり、鶴の一声に従ったりという状況が起こります。しかし、多数意見が必ずしも最善であるというわけではなく、ましてや、鶴の一声で決めるのであれば最初から会議の必要はないと感じるかも知れません。このようなプロセスを経て決まった結論に誰もがここから従うことを困難とも言えるでしょう。したがって、これら二つにおいて重要なことは、参加者の納得感です。自分の意見もあるが、なるほどこちらの結論の方がより良い結果に至ると納得することができれば、会議の結論に不服なく従うことができるでしょう。まさに、このような状態に至るために会議やディスカッションを行うのです。

 参加者全員の納得感を得ることは容易ではありません。しかし、少なくともその努力をすることは必要です。例えば、客観的、論理的視点に則って発言し、その発言を吟味することが一つの方法です。少なくとも、根拠や論理性に欠ける主観的意見や結論へのプロセスでは誰も納得することはできません。

 

 四つ目のアイデア出しは、言うなれば新たな知恵の創出であると言うことができます。一人の知恵では限界があります。しかし、三人寄れば文殊の知恵という言葉のとおり、複数人で考えることで母数を増やすことと同時に、互いに刺激を与え合って、文字通りの知恵の創出を起こすことが可能となります。言うなれば、ミラクルが起きることを期待しているとも表現できます。皆さんも、アイデアに詰まっているときに、だれかと話をして、それがきっかけとなって紙が下りてきた経験を持っているはずです。まさにそれこそ、ミラクルであり、知恵の創出です。そして、これこそが複数人が集まって会議を行う理由です。

 このような新たな知恵の創出、ミラクルを起こす方法には、ブレーンストーミングに代表されるような様々な方法も確立されています。上手くそういった方法を会議の中に取り込むことも有効な方法です。

 

 会議が無意味時間の浪費に終わる原因には様々なものがありますが、別稿でもあげた四つの目的、そして、ここに挙げた会議を行う理由、求める成果、これらが意識されていないことが大きな要因としてあげられます。参加者全員が何のためにこの会議をしているのか、自分はなぜ参加しているのか、そして、何を目指しているのかということを意識していれば会議は無駄には終わりません。

 参加者全員の時間と、そこから発生するコストを無駄にしないためにもこれらのことを意識して会議に臨んでください。

 

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