別項でイノベーションを生み出すためには、制度やルールの変革、改善が必要であるということを書きました。それらと関連して、もう少し現場に近いレベル、現実的な部分として必要なことについて補足として書いてみたいと思います。
イノベーションを起こすことは容易なことではありません。言い換えると成功の確率は決して高くはなく、失敗することも多々あるものとも言えます。そんな対象であるイノベーションに対して、失敗したらどうしよう、上手く行かなかったらどうしようというネガティブな考え方をしてしまえば、スタートのハードルは高くなるばかりです。
ではポジティブに考えるためには何が必要でしょうか。色々なものをあげることもできますが、一つだけに絞って一言で表現するとすれば、「気持ちの余裕」です。やはりある程度の緊張感と共に、ポジティブに考えることができるだけの気持ちの余裕も無ければチャレンジすることは難しいと言えます。そして、この余裕を生み出す仕掛けとなるのが、別項で書いている制度やルールによるアシストであるということになります。
一つ、気持ちの余裕の具体例を挙げるとすれば、「時間的余裕」があります。現代においては、日常業務だけでも目いっぱいに詰まっており、それ以外のことをする時間をいつでも作れるという環境は数少ないのが現実です。しかし、イノベーションとはチャレンジであり、言うなれば、日常業務とは別の次元のものです。従って、そのための時間を作りだす必要があります。ところが現実には前述のような状況なのですから、ほとんどの場合日常業務を優先してしまい、イノベーティブな活動は二の次という事態を生んでしまいます。そんな環境でいくら上司や会社が旗を振ったところで、誰もついてこないのは当たり前とも言えます。
従って、時間的余裕を感じられる環境を用意するということも、イノベーションを起こすためには必要であると言えます。ただし、決していつでも余裕を持って、70%、80%の力で仕事していれば良いというわけではありません。常に100%で仕事をしている中で、必要とあれば優先順位を入れ替えてでも、時間を作れる余裕が重要だということです。
イノベーションは想像以上に難しいものですが、不可能なものでもありません。しかし、旗を振るだけで実現できるものでもありません。モチベーションと環境の揃うことが重要なのです。
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