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報連相における注意点、ポイント

 別稿報連相における、報告、連絡、相談の違いについて書いていますが、実際の業務の中では、これらの使い分けだけでは不十分と言えます。自分の考えさえ入れていればよい報告ではないこと、なんでもかんでも相談すれば良いというわけではないことは容易に理解できるかと思います。報連相とは言うなれば情報を軸としたコミュニケーションであると言えます。

 そこで、今回は報連相の意味だけでなく、コミュニケーションという視点も交えながら注意点やポイントについて書いてみたいと思います。

  報連相は情報を軸としたコミュニケーションであると書きましたが、これは、一方的な情報の発信では本当の報連相とはならないということを意味しています。コミュニケーションとは双方向の流れによって成立するものです。したがって、一方的な情報伝達、(要求も含めた)意思の伝達ではコミュニケーションは成立しておらず、本当の報連相とは言えないということです。すなわち、少なくとも相手にとっても意味がなければなりません。例えば、その情報を得ることそして、その要求にこたえることによる相手のメリット、必要性といったことがキーとなってきます。

 

 このように考えると、

  • 相手が聞く理由
  • 相手が聞きたい理由
  • 相手が聞かなければならない理由

といったことが要素として存在しなければならないと言えます。これらは必ずしも明示的に話す必要はありませんが、潜在的には存在していなければなりません。これらが無ければ、話し手が言いたいことを言っているだけであり、相手は聞かされている状態になってしまいます。

 

 そして、相手が聞く理由、聞きたい理由、聞かなければならない理由と同時に、話して自身においても、

  • 話す(伝える)理由
  • 話したい理由
  • 話さなければならない理由

といったものが存在していなければなりません。これらは、話す意味、意義にも通じていくものです。報連相では、話してと聞き手双方の時間を拘束して消費します。理由、意味、意義が無ければ、単なるリソースの浪費になってしまいます。

 

 以上のような基盤から、話す内容が決まっていくことになり、この話す内容が重要であることは言うまでもありません。しかし、話す内容だけでなく、話し方、伝え方も重要なポイントと言えます。現在は、Face-To-Faceの打ち合わせ形式だけでなく、電話はもちろん、メールといった様々な手段があります。これらを内容や状況に合わせて使い分けることも報連相においては重要です。

 

 そして、伝え方と同時にケアしなければならないのは、伝わったかどうかです。相手の耳に届いたからと言って、こちらの意図が伝わっているかどうかは分かりません。もちろん、まず第一歩はこちらの言ったことが全て耳に入って情報として理解されたかどうかということです。その上で、こちらの意図や思いといった内面が伝わっているかどうかが大きなポイントと言えます。報連相を行うときには、必ず、何らかの目的やゴールが存在しているはずであり、それらを実現するためには伝わらなければなりません。

 

 実は、前述の目的やゴールが存在しているという点は、極めて重要であり、基本的なことと言えます。通常は報連相によって実現したことや状態が必ずあるはずです。これらが無ければ、単なる世間話と同じになってしまいます。したがって、言い換えるなら、報連相においては目的やゴールを意識することが必要不可欠であるということになります。

 

 最後にもう一つ補足するならば、報連相では悪い知らせほど早く伝えることも重要です。どうしても悪い知らせは言いたくないという気持ちが働いて、避けてしまいがちですが、そうしたからと言って問題が解決するものではありません。それよりも、はやくリカバリーの手立てを打たなければ問題は大きくなってしまいます。また、悪い知らせではどうしても言い訳などの持論を展開してしまいがちですが、そうではなく、より客観的に事実をまず伝えることが重要です。その上で、自分の考えを述べることで議論が進展します。

 

 報連相にはこれら以外にもポイントはありますが、それはまた機会があれば書いてみたいと思います。

 

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