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ピグマリオン効果とゴーレム効果

 人は様々な欲求を持っています。食欲、金銭欲など色々とありますが、最も有名なものは、マズローの五大欲求(生理的欲求、安全欲求、所属欲求、承認欲求、自己実現欲求)があります。特に現代のような状況における社会生活では、低次側の欲求(生理的欲求、安全欲求)は基本的に満たされていることが多いので、高次側の欲求(所属欲求、承認欲求、自己実現欲求)が大きなウェートを占めています。そんな中で承認欲求はモチベーションと大きくかかわっており、そこに働く作用として、タイトルの「ピグマリオン効果」、「ゴーレム効果」があります。

 そこで、今回はこの二つの効果(「ピグマリオン効果」、「ゴーレム効果」)を中心にして、承認欲求、モチベーションと関連付けて書いてみたいと思います。

  まず、二つの効果とはどのようなものかについて簡単に整理しておきたいと思います。

 

 「ピグマリオン効果」は、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱されたものであり、他人からポジティブな期待やかかわりを持たれることによって、その期待に応えようとしてより高い成果を生み出すように努力するというものです。提唱者の名前を取って、ローゼンタール効果とも呼ばれています。すなわち、期待に応えようとするということは、別の見方をすればその期待に相応したと承認されようとするということですから、承認欲求とかかわってきます。そして、それが承認欲求を刺激して、モチベーションを生み、さらに努力へとつながって、より高い能力を発揮して成果を生むという流れが出来上がります。

 

 褒めて育てる、褒められて伸びるなどということを耳にすることもあるかと思いますが、これらはまさにピグマリオン効果のことを言っています。ただし、ここで気を付けなければらないことは、闇雲に褒めればよいというわけではないということです。自分の能力と比較して全く及びもつかないようなレベルで褒められても現実感がなく、逆に騙されている、煽てられているという感情を生んでしまいます。適切なレベルでということが重要です。適切なレベルで期待感を示してコミュニケーションを取る事は相手に対して確実に良い影響を与えます。悪い面を強調して見るのではなく、良い面を見つける、協調するというポジティブな視点がポイントとなります。

 

 一方で、このピグマリオン効果と逆にあたるのが、「ゴーレム効果」です。ゴーレムとは、ユダヤ教に登場する泥人形、泥の操り人形に由来しています。意味は、前述の通りで、ピグマリオン効果とは全く逆で、他人からネガティブな見方やかかわりを持たれることによって、パフォーマンスが落ちるというものです。ここでいうネガティブな見方やかかわり方とは、例えば、「どうせできないだろう」、「駄目だろう」といった感情を露わにすることです。

 

 この背景にも承認欲求とモチベーションが関わっています。相手や環境からのネガティブな応答によって、どうせ努力しても認められないのだろう、報われないのだろう、すなわち、承認欲求は満たされてないだろうという認識をしてしまう状態です。当然ながら、そのような状態ではモチベーションは生まれませんから、本来発揮されるはずのパフォーマンスすら発揮されない状態となります。

 

 このように、人は周囲や環境の影響を受ける存在、すなわち、いわゆる感情の生き物です。したがって、特にリーダーや管理者はポジティブに対応することが全体のパフォーマンスを上げるためには必要不可欠であると言えます。

 

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