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商品開発戦略の考え方と策定の方法(戦略区分)

 市場やユーザーのニーズ、社会のトレンドは日々変化しており、そのスピードはどんどん増している状況にあることは誰もが認識しています。そのような中で企業活動を維持、拡大していくためには、当然のことながらそれらの変化に対応していく必要があります。また、環境変化という意味では、競合の出現も同様であり、勝ち続けるためには対応力が重要となります。変化への対応には様々な方法がありますが、その中の中心となるのが、変化に合わせて絶えず新商品や新技術を開発していくという戦略です。しかし、一言で新商品開発、新技術開発と言っても様々なタイプがあります。

  そこで、今回は戦略区分という考え方に基づいて新商品開発について書いてみたいと思います。

  新商品開発の花形とも言えるのが、「市場創造型」と呼ばれるものです。これは、それまでに無かった全く新しい発想で、新しい商品を生み出すことで、マーケットすら創り出してしまうようなものです。言うなれば、市場や技術、商品をコップに例えるならば、全く異なるコップを用意するものということになります。例えば、最近の例ではスマートフォンやドローンが挙げられます。特にスマートフォンはマーケットを創造しただけでなく、いわゆるパラダイムシフトを起こして、社会自体も変えてしまったと言っても過言ではありません。

 

 市場創造型は、マーケットだけでなく、企業の業績に対しても極めて大きなインパクトを与えるものです。従って、当然のことながらどの企業もスマートフォンのような市場創造型の商品を開発したいと願います。しかし、市場創造型新商品を実現するためには、技術はもちろん、発想の段階から飛び抜けたものが必要とされます。そのため、その実現は容易ではなく、ハードルも高いと言えます。また、創造というぐらいですから、誰も想像してこなかったものです。これは言い換えると誰も知らないということです。したがって、説明が難しく、「シーン」を想像しにくいという意味での難易度の高さも忘れてはいけません。

 

 市場創造型に比べてハードルが少し下がるものとして、「市場開拓型」と呼ばれるものがあります。これは、市場創造型のように全く新しいものを創造するのではなく、改良や拡張といった発想によって、市場に変化をもたらしたり、市場を深掘りして潜在ニーズを呼び起こすような戦略に基づく商品開発です。前述のコップの表現を用いれば、既存コップに継ぎ足して容量を大きくすることであると表現することができます。市場開拓型の場合には、基盤となるマーケットはすでに存在しており、そこに投入する商品の原型も存在するという意味で、前述のように市場創造型に比べてハードルは低くなり、リスクも軽減されます。ただし、競合の参入障壁も低いことから、開拓された市場が有望であればあるほど競争は厳しくなってきやすいと言えます。

 

 市場創造型や市場開拓型が新たな市場を生み出していくのに対して、既存の市場を細分化して特化することによってビジネスチャンスを生み出していくのが「市場細分型」と呼べれるものであり、ニッチ戦略とも呼ばれるものです。市場やユーザーなどのセグメントをより細かく、深く切り分けて、特定の領域に集中することで差別化や競争力を上げるものです。特に市場創造型ではリスクや必要な投資も大きくなることから、ある程度の企業規模が必要になるのに対して、ニッチ戦略である市場細分型は中小などの比較的小さな規模の企業であってもトライしやすいと言えます。

 

 商品開発には一定の投資が必要であり、リスクが付きまといます。自分たちが持ちうるもの、使えるもの、体力などのリソースを考慮して戦略を選ぶ必要があります。

 

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