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新商品の研究開発戦略の立て方、考え方

 提供するものが目に見える商品であれ、目に見えない商品であれ、ビジネスという場においては必ずらかの提供物となる「商品」が存在します。しかし、どんなに優れた素晴らしい「商品」であったとしても、市場原理というべきルールに則って必ず寿命を持っています。したがって、どの企業も必ず新商品の開発を行い、それを繰り返していかなければならないという宿命を背負っていると言っても過言ではありません。しかし、新商品を開発するための戦略策定に当たっては、様々な要素が関係します。

 そこで、今回はそれらの中の代表的なものを書いてみたいと思います。

  新商品の研究開発において、最も重要なのはすべての発端でありドライビングフォースでもある「アイデア」です。何はさておき、起点となるアイデアが無ければ何も始まりません。そして、他の要素を支える基盤でもあります。シーズ志向で創発的に生まれるアイデアを起点とする場合もあれば、ユーザーや市場を発端としたニーズ志向のアイデアが起点となることもあります。また、起点となったアイデアを具現化していくのもアイデアです。

 

 では、この起点となるアイデアはどこから、何をもとにして生まれてくるのでしょうか。それは、「情報」です。何も情報が無い状態では、何も生まれてきません。これは、例えるなら料理と同じであり、材料が無ければ料理はできません。アイデアとは起点となる情報を拡張し、組み合わせることで新たな意味や価値を得たものであると言えます。

 

 新商品を生み出すにあたっては、「基本性能・機能」、すなわち、仕様の決定も重要です。アイデアは無限ですから、いくらでも膨らませることができます。しかし、現実には限られたリソースと条件のもとで具現化していく必要がありますから、どこかで枠を決める必要があります。すなわち、基本となる性能や機能を決定しなければなりません。これによって、開発要素が決定し、課題も可視化され、そこからToDoへと落とし込まれて計画が策定できるようになります。

 

 基本的に商品開発は出来上がった商品を売るために行うものですから、どのマーケットを狙うのか、そのマーケットの中の誰に売るかという「ターゲット」を設定することも新商品開発戦略を決める上ではとても重要な要素となります。また、このターゲッティングが前述の基本性能・機能を設定するための基準ともなると同時に後述するブランディングなど他の要素に影響を与えます。そういった意味で、とても重要な要素であると言えます。

 

 また、目に付く、手に取ってもらえる、興味を持ってもらえるということも売れるためには必要であり、その点から、「デザイン」、「ネーミング」、「パッケージング」といったことも重要な要素となります。そして、これらの要素や基本性能・機能といった要素なども複合的に作用して出来上がる要素である「ブランディング」も重要です。現代においてはこのブランディングによって商品の価値は天と地ほどの違いが生まれます。一例をあげれば、農産物においては最近ではどんどん地域ブランドが立ち上がっています。何もネーミングが無いものよりも、同じ品種であってもブランディングされている方が高値で取引されます。具体的には有名な話では、関サバ、関アジというブランド魚がありますが、これらはブランディングされるまでは、鯛漁の外道として扱われていました。しかし、これが関サバ、関アジというブランド化されることで一気に値が上がりました。もちろん、品質も良かったことは言うまでもありませんが、同じ漁場で漁獲され対岸で水揚げされるものの値段に比べて5倍ほども違うというのは家鳴りブランドの効果と言わざるをえません。

 

 これらの他にも、「サービス」、「ライフサイクル」といった要素も新商品開発で重要です。このように、新商品開発は単に新しい技術や材料を生み出すだけでは成立しません。売る、すなわち、事業にするところまで考えなければなりません。そういった意味でも、新商品開発は開発部門だけではなく、営業や製造部門などの多部門が協力して進める必要があると言えます。

 

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