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本当のイノベーションとは何か

 皆さんイノベーションという言葉は一度や二度は聞いたことがあると思いますが、どんなイメージを持っているでしょうか。多くの日本語訳は「革新的な」というようなニュアンスになっていると思います。そのため、ほとんどの方はイノベーションというとそれまでに無かったような、全く新しいモノ、文字通り社会に革命を起こすようなそれまでになかったものを思い浮かべるのではないでしょうか。

 しかし、イノベーションとはそんなにものすごいこと、ものすごいモノだけを意味しているのでしょうか。今回は、その辺りについて書いてみたいと思います。

  イノベーションが表すものが本当に前述のようなそれまでに無かった全く新しいモノだけを示しているとすれば、これだけ技術やモノが溢れた現代社会においては極めてハードルが高いものであると言えます。

 

 そこで、まずは言葉としてのイノベーションについて確認しておきたいと思います。イノベーションは誰もが知る通り元は英語であり、「innovation」と単語です。そもそもは、innovateという動詞の名詞形です。さて、この言葉の語源は、ラテン語のインノバーレ(innovare)です。 innovareの中のnovaという言葉は、超新星のスーパーノバにも使われている通り、「新しい」という意味を持っています。この単語が入っていることからも判るように、インノバーレの意味は「何かを新しくする」です。

 従って、何かの新しさをその中に含んでいることは間違いなさそうです。

 

 では、次に過去の研究者の定義について確認してみましょう。様々な人がイノベーションについて書き残していますが、もっとも有名で基本となったものの一つは、経済学者のシュンペーターによる定義であり、

  1. 新しいモノや品質
  2. 新しい生産方法
  3. 新しい販路
  4. 新しい供給源
  5. 新しい組織

の五つが挙げられています。現在のイノベーションに対する一般的な認識は、1-3であり、特に1の新しいモノという所に偏在していると言えます。

 

 さて、これらの定義にかかれている内容は果たしてどのような効果があるでしょうか。別の言い方をすると、そもそもこれら五つの定義、すなわち、イノベーションは何のために成されるのでしょうか。

 

 新しいモノや品質は主に消費者のニーズに起因するものであり、言い方を変えると何らかの欲求を満足させるためにあると言えます。二つ目の生産方法は効率化や品質向上など、企業経営における目的と関係していると言えます。3つ目、4つ目も同様に企業活動と関係していると言えそうです。五つ目は、少し視点は異なりますが、新しい企業の創出や企業内の組織など何らかの目的のためのグループを作ること意味しています。

 

 このような考え方をすると、五つの定義に共通するのは、当然のことながら何らかの目的達成のために行われることではあり、さらに具体的に深掘りすれば、何らかの「便益(benefit)」を実現することであると言えそうです。ここで言う便益、達成できた時の「うれしさ」とでも表現できるでしょうか、または、より一般的な言葉言うならば「バリュー(value:価値)」を創出することである表現できます。

 

 すなわち、「イノベーションとは新たな価値を生み出すこと」であると言えます。

 

 このような考え方に立てば、極端な例では、それまで既に世の中にあったモノやサービスであったとしても、新しい価値を生み出していればイノベーションであると言えることになります。これであれば、多くの場面でイノベーションを期待することが可能となります。

 

 従って、イノベーションを生み出そうとするときには、モノやサービス自体に囚われるのではなく、価値に注目して創造することが重要であると言えます。

 

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