JRLテックログ

JRLテックログ

ジャパン・リサーチ・ラボが提供する技術コンサルティング、人材育成、戦略策定、セミナー等の様々なコンテンツに関する情報を提供するブログです

最近の大学の講義はどんな状況か

 縁あって大学で講義をさせて頂いています。登録学生数は、年によって若干のバラつきはありますが、およそ120,130人前後という感じで、そこそこの人数になります。

 今回は損な講義風景について書くことで、大学の実情をお知らせしてみたいと思います。

  授業の風景はというと、やはり昔から変わらず大きくは二つのグループに分かれます。一つは、前の方の島に座ってある程度積極的に授業に参加する、質問にも答えてくれるし、逆に質問をしてくることもあるというグループ。もう一つは、前の方が十分に空いているにもかかわらず、後ろの方の島に座っているグループです。こちらは、スマホを触る学生なども多数いて、はっきり言えば本当に授業を聴いているのかどうかも怪しく、当然質問に対して答える、発言するということもありません。授業に参加しているというよりは、単位のために出席を稼ぎに来ていると言っても良いでしょう。

 

 とは言え、相手は20歳も越えた十分な大人ですから、授業の邪魔をしない限りは基本的に放置しています。これにはもう一つ理由があって、最近の学生さんはちょっとでもきついことを言うと(と言っても、罵倒するわけではなく、普通に注意する程度)、アカハラだとか言って、あの先生は厳しすぎるとすぐに学生課に通報するので困ったものです。学生課もそれを鵜呑みにしてすぐに教員に指導の連絡を入れてくるのも困りものですが。

 

 昔も授業を聞かない学生はいましたが、そんな学生は大抵授業にすら出ないことがほとんどでした。しかし、最近はどこの大学も単位認定において出席を厳しく判断する傾向にあるので、そんな学生も出席だけはするようになっているのでしょう。現役の頃は後ろに座れば、寝ていても、他のことをしていても目立たないだろうと思っていたのですが、いざ教壇に立つと想像以上に全体のことが見えて、当然後ろの方でスマホを弄っているのも、居眠りをしているのもしっかりわかるということを皆さん分かっていません。

 

 こんな風な状況になるのは、大部分の学生は学費を自分で出していないからだというのが大きな理由の一つだと思っています。自分の懐を痛めていないので、平気でサボることができるのです。その証拠に海外からの留学生はほとんどが前の方に座って、積極的に授業にも参加して、場合によっては終了後に質問に来る学生も少なくありません。

 

 もう一つ、最近の特徴はやはりスマホの存在です。講義中に分からないことがあると、例えば、新しい原理の説明などをし始めて知らない言葉が出てくると学生たちは一斉にスマホで調べ出します。前に教員がいるのですから、直接質問すれば良いのに、それをせずにスマホを使うのは、まさに現代風なのでしょうか。

 

 スマホの使い方でもう一つ驚いたのは、ノートです。授業の要点を黒板に書いたり、スクリーンに映し出したりといった形で講義を進めるのですが、最近はかなりの割合でノートを書くことをしません。特に後ろの方に座っている学生達はほとんどがノートなど取りません。このようにノートを書かない学生はどうしているかというと、なんとスマホで黒板やスクリーンを撮影するのです。確かに、便利ではあります。しかし、ノートを書くときに自分の頭の中を整理して理解を深めるというプロセスが無くなるのは困ったものです。また、大抵は撮影するだけで後から見返すというようなことはしないでしょうし。

 

 こんな学生たちが何年か後には社会人になって就職していくのですから、人事部や現場の教育担当の方たちは大変です。そんなコンサルティングの相談もたくさんお受けします。

 

 新人の教育でお困りの方は、是非ジャパン・リサーチ・ラボにご相談ください。ご相談はこちらから。