JRLテックログ

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スタートと同様にクローズが重要

 何事も始める時には色々と考えてしまい、なかなか行動に移せないという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。どうしても、上手く行かなかったらどうしようとか色々考えてしまうのが主な原因でしょう。やる前に色々悩んだところでどうしようもないことも分かっていても、それでも考えてしまうのが人間です。もちろん、出来る限り失敗を避けて、成功確率を上げるために考えられることはできる限り考えて、想定しておくというこということは重要なことです。

 

 日常だけでなく、ビジネスの世界ではさらに何かを始める時は大きな労力が必要になります。日常では基本的に自分の判断でGo/Stopの判断ができますが、ビジネスの世界では様々な登場人物がいます。特に決裁者は最終的に自分の責任にもなるわけですから、色々と言ってくるというのも当然と言えば当然です。中には、何を言っても否定的なことしか言わない、意図的にアイデアを潰そうとする人たちもいたりします。すなわち、ビジネスの世界で何かをスタートするときには、「説得」というプロセスがどうしても最初の段階で入ってくるわけです。

 

 こんな風にスタートする大変さのために、説得材料などいかに魅力的でスタートすべきかということを示すことに全精力を注いでしまって、いざ始まってみるとテンションレベルが維持できていないケースという状態も見かけます。それと同様に、多く見られるのがフェードアウトパターンです。特に日本の企業で顕著なのですが、上手く行った場合には自分が考えた、自分が許可した、協力したなど、遺産相続の遠い親戚の如く色々な人が出しゃばってきます。ただ、鬱陶しいということはありますがあまり害は無いとも言えます。

 これに対して、上手く行かなかったときはどうでしょう。誰もができるだけ関わりは避けるということはもちろん、直接の当事者、決裁者自身も波風を立てないようにいかにしてクローズするかということに全精力を注ぎます。派閥争いでもからんでいない限りは、誰も責任を取るような事態にならないように、穏便に済ませる。そのために、誰も大きな声で何も言わない、文字通りのフェードアウト状態を目指すケースが多いのが現実です。

 また、責任の所在ということだけでなく、慣例的に当たり前のようにフェードアウトするケースや、フェードアウトすらできない、しないパターンもあります。要するに、終われない、クローズができないというケースです。

 

 このように、スタートも難しいのですが、ある意味ではそれよりも難しく、現状ほとんどケアされていないのがクローズの定義です。成功にしても、失敗にしてもスタートする段階でクローズの条件、基準を明確にして共有しておくということが極めて重要です。ただし、これはクローズ判断の条件に関することであって、失敗の責任をだれが取るのかということではありません。

 スタートでゴールとスコープを明確にすると同時に、クローズの条件も設定することが、デスマーチへの突入、ダラダラ延命を避ける条件です。クローズの条件は、期間、状態、予算など様々な観点があります。重要なことは、関係者の中でコンセンサスが取れている事、誰が最終的に判断するか(責任とは無関係に)ということです。

 

 竜頭蛇尾にならないように、クローズにもっと前向きにスポットライトを当てましょう。そうすることがプロジェクト運営を成功させるカギであり、経営資源や時間を無駄に浪費することなく、本当にやるべきことにそれらを投資することができます。

 

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