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中途採用の考え方と活用

 人材の流動化という言葉を耳にするようになって久しいのですが、今や転職自体はそれほど珍しいことではなく、積極的に転職活動をしている人だけでなく、良い話があればというような受け身的な転職活動者も入れると6-7割を超えるという統計もあります。採用側も、従来は新卒メインが当たり前でしたが、最近では技術系は基本的に中途採用にメインにしているという企業さえ出て来ています。

 

 こうなってくると、問題のなるのが採用スキーム、システムの構築です。採用担当者、採用システム共に現在でもまだまだ新卒を想定したものとなっているところがほとんどです。しかし、ご存じのように新卒と中途では期待することも異なり、必要な人材像も異なります。新卒はどちらかといえば基礎力重視で基本は育てることを想定した採用になります。一方で中途採用は基本ができていることはもちろん、期待している役割での即戦力、垂直立ち上げを期待しています。

 

 このように、両者の採用プロセスは本来異なるものです。しかし、採用の現場では新卒と同じシステムで、同じような考え方で中途採用を行っている企業が少なくありません。もちろん、パーソナリティーや組織との適合性など共通する部分はあります。しかし、それらであっても、両者に求めるレベルは異なりますから、採用時の観点は異なってきます。しかし、実体は両者ともに応募動機ややってきたことを問うなどのうわべだけの面接質問ばかりで、両者に合わせた評価ができるようなものになっていません。

 

 中途採用では、もっとより具体的に問うことが要求され、期待する役割を担うのに必要なスキルを持っているかを確認する必要があります。管理職候補としての選定であれば、「管理職経験は?」、「部下の数は?」といったそこから管理職としての力量を図ることが困難な質問ばかりしてもしょうがありません。もっと踏み込んで、「最初の部下は今どういう状態になっているのか」、「どう成長したのか」、「その成長に対して上司としてどのような役割を担ったのか」といったことを掘り下げていく必要があります。

 

 また、中堅であれば、入社後の構想について具体的にアイデアを持っているかを問うのも良いでしょう。これは、新卒では何ができるかを問うても実態が伴い辛いので夢物語のようになってしまうのに対して、中途採用ではより現実的な構想を持っている必要があるからです。何がしたい、何ができるという具体的イメージを持たないで、「御社の事業に惹かれて」などと言って転職を希望されても現実感は全くありません。そこで、自分はどういうポジションを担うのか、どういう貢献ができるのかということをきちんと考えているかどうかが重要です。

 

 この他に転職理由、退社理由の掘り下げ方など、中途採用独自のポイントがいくつもありますが、それらはまた機会があれば書いてみたいと思います。

 

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