とかく無駄なものの代表として言われがちな会議ですが、組織を運営していく上では必要な不可欠なものでもあります。そして、会議が無い組織というのも耳にしたことがありません。にもかかわらず、前述のように無駄なもの、不要なものリストの筆頭に挙げられてしまうのが現実です。そんな複雑な立場にある会議ですが、いずれにしても通常は何らかの目的に従って開催されます。
そこで、今回は会議の目的を大きく4つに分けて考えてみたいと思います。
まず、一つ目の会議の目的は「情報共有」です。いわゆる報告会と称されるものの主たる開催目的と言えます。前月の売り上げ、前回からの開発の進捗具合など共有される情報は様々ですが、参加者全員が同じ土俵に立つことを目指した会議と言えるでしょう。この目的で重要なことは、必要な情報を正確に、かつ、簡潔に伝えることです。余計は情報はノイズでしかありません。当然のことながら、何があっても、間違った情報を伝えていけないことはいうまでもありません。また、他の参加者が欲しいと思っている情報を伝えることも重要です。自分が言いたいことだけを伝えても他の参加者にとって意味が無ければその会議の席にいる意味がなく、時間の無駄という結論になってしまいます。
目的を情報共有とは書きましたが、ほとんどの場合単に情報を伝えるだけで会議の目的をすべて達成したことにはなりません。多くのケースでは、共有した情報を元にして何らかの結論、すなわち、決め事をすることになります。結論と言っても、会議全体としての結論もあれば、それぞれの参加者に対する個別の結論もあります。ここで言えることは、単なる情報共有の場合には、その多くは資料配布で事足りる、すなわち、会議は不要ということになります。このあたりが、会議が無駄なものと感じられてしまう原因の一つと言えるでしょう。従って、この情報共有という目的は他の三つの目的の基盤になる物であり、他の目的とセットになることが多いと言えます。
二つ目の会議の目的は、「調整」です。組織の中ではどうしてもコンフリクトが発生して、調整が必要な場面が生まれます。嫌な例ですが、人事考課の調整会議などもこの分類に入るものです。この目的で重要なことは、必要なすべての情報と議題をテーブルに上げて、十分に議論することです。そして、誰もが納得できる結論を導き出すことを目指すということです。従って、妥協は禁物です。また、0-100、Yes-Noの2極論で議論するのではなく、絶えず、第3の選択肢は無いかと思考を巡らせることも重要です。
しかし、現実には役職上位者の鶴の一声や、文字通り声の大きな人の意見に全体が引きずられてしまい、せっかく時間を書けた議論そのものが無視されてしまうことも少なくありません。このあたりが、この会議が無駄となってしまう原因の一つと言えます。もちろん、最終決裁者の判断は大きなものですが、原則は参加者なフラットな立場とすることが重要です。
三つ目の会議の目的は、「決定」です。これが会議の目的としては最も多いのではないでしょうか。しかし、にもかかわらず、何も決まらないまま、決めないまま会議が終わり、参加者の誰もが無駄な時間だったと感じてしまうことが多々あるのは悲しい事実です。このような事態を招かないためにも、会議の冒頭で何を決めるのか、何のための会議なのかを全員で確認すること、そして、最後にそれが達成されたかどうか確認することが重要です。もちろん、会議中にも意識し続ける必要があります。そのためには、一つ目の目的で書いた情報共有によって、決定、すなわち、判断に必要な情報が十分に提供され、議論されていることが重要となります。中途半端な情報では、結論が導けないばかりか、ばあいによっては誤った結論を導いてしまうこともあります。目指すべきは、参加者全員が理解、納得できる結論を決定事項として得ることです。
四つ目の会議の目的は、「アイデア出し」です。3人寄れば文殊の知恵を知う言葉もありますが、様々な人が集まって意見を出し合うことで、一人では思い付かなかったようなアイデアが出ることを期待できます。また、他人のアイデアをヒントにして、新たなアイデアを思いつくことも期待できます。ぶれーストーミングなどが活用されることもあります。ただ、気を付けなければならないのは、井戸端会議にならないことです。すなわち、どんどんテーマ(核心)から出さられるアイデアや議論が離れて行っていしまうような状況や、言いたい放題言うだけで終わってしまうような状況です。アイデア出しですから、意見をたくさん出すことは最重要ですが、みんながアイデアを出すだけで終わったら、そのアイデアたちはどこにも行き場が無いことになります。どのアイデアを採用するのかなど、結論を導くことが重要です。また、ここでも役職や声の大きさに影響されない場を形成することも必要です。
細かく分類すれば、会議の目的はまだまだありますが、共通するのは会議の時間を不毛な時間にしないことです。そのためにも、その会議の目的をしっかりと意識して参加することが必要不可欠です。
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