JRLテックログ

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新規テーマはハードルが高い?

 新商品や新事業などの新たな「柱」を創出したいというご相談のコンサルティングをさせて頂く中で必ず頂く質問が、

・既存の技術の展開や拡張、延長線上などで行くのが良いのか、それとも、やはり文字通りの新規領域に入っていくべきか。

というものです。

 

 この質問の暗黙の背景として、実は

・既存事業の展開等に比べて、新規領域はかなりハードルが高くなると考えている。

というものがあります。

 

 果たして、本当に新規領域参入の方が拡張展開よりも必ずハードが高いのでしょうか。確かに、未知の領域に入っていくということ自体は容易なことではありません。新たな知識、技術の獲得などやるべきことが山ほどありそうに思われます。一方で、既存の展開拡張であればベースはあるので、そういったハードルは低いように思われます。

 

 確かに、その通りという面もあります。しかし、両者ともに本質的な目的は事業化して売り上げを計上して利益を出すということであるという点を思い起こすと、その点については両者ともに容易ではないと言えるのではないでしょうか。

 

 新規領域への進出は、進出できる状態にする、すなわち、技術開発や商品開発やその前段階の領域、分野の選定は難しいでしょう。また、既存の展開拡張では、そういった点のハードルは低くなるかもしれませんが、領域、商品、技術としての魅力という点では別の難しさがあると言えます。すなわち、既存のものは、すでにライフサイクルの頂点を超えているために新たなものを生み出さなければならない状態です。従って、仮に既存の展開拡張であったとしても、新規領域と同様に新たな価値を生み出さなければなりません。

 

 このように考えると新規領域というのは、領域の選択や商品、技術の開発という点ではハードルは高くても、それが実現すればその次のハードルは既存の展開拡張よりは低いと言えるかもしれません。一方で、既存の展開拡張の場合には、領域はすでにある程度選択された状態です。また、技術や商品のベースもあります。従って、選択と開発という点においては新規領域よりはハードルが低いと言えます。しかし、飽和状態、場合によっては斜陽状態の領域や技術、商品で勝ち残らなければならないというハードルは決して低くはありません。

 

 以上のようなことから、必ずしも既存技術力や分野での拡張展開の方が、全くの新規よりもハードルが低いとは限らないということになります。従って、どちらを選ぶかという理由づけに単純で安易なハードルの高さで考えることは間違いであると言えます。応用範囲の広い、強いものを持っていればその展開拡張を、すでに限界が見えてきているのであれば新規領域への算入を考えるというのも一つの判断です。

 

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