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本当のリスクと何か(リスクヘッジ、リスクマネジメントの基本的考え方)

 様々な企業活動にはリスクは付きものであり、特に研究開発はリスクを伴うものです。そのため、「リスクヘッジ」や「リスクマジメント」などという言葉も生み出されています。しかし、少なからず本来はリスクと呼べないものまでリスクと呼んでいるケースがあります。そのことを踏まえて、今回は本当のリスクとは何かについて書いてみたいと思います。

  通常リスクとは過去に対してのものではなく、未来に対してのものを指しています。研究開発がリスクを伴うものというのも、将来において開発が上手く行くかどうかわからない、開発が上手くいっても事業化できるか、売れるのかということが不確定であることがリスクの源として定義されます。そうです、リスクのポイントはまさにこれで、どうなるか分からないこと、すなわち、不確実性がリスクなのです。未来のことは誰にもわからないと言われる通り、どうなるか分からないからリスクは未来、将来のことに対するものということになります。

 

 しかし、現実にはこのリスクであることの最大条件である「不確定性、不確実性」が無視されて、「危険」であることがリスクと捉えられてしまっているケースがあります。例えば、高速道路の走行は一般道路に比べると一度事故が起きると重大事故になる可能性が高いというのは間違っていません。ただし、高速道路だからと言って事故が起きるとは限りません。しかし、一度起これば大惨事になる可能性が一般道に比べるとその速度の違いから大きいということです。これに対して、高速道路の逆走の事故は本来はリスクとは呼びません。理由は、ほぼ確実に事故が起きることが予見されるからです。すなわち、単なる危険、ということになります。

 

 従って、リスクというものを一言で表現するならば、

  「未来における不確実性」

であると言えます。従って、必ず起きると分かっている悪いこと、絶対にアウトと分かっていることは、本来はリスクではないのです。

 

 このように、将来におけるマイナス要因にもいくつかの種類があり、全てがリスクと呼べるものではありません。言い換えると、全てのマイナス要因が避けられないというわけではないということです。起きると分かっている、本来の意味でのリスクではないマイナス要因は避けることができます。問題は、不確実性を伴う要素です。絶対に起きるとは限らないので、始めからトライしないということは適切ではありません。トライを止めるということは同時にチャンスも捨てるとということです。

 従って、重要なことはリスクではないマイナス要因は必ず避け、リスクについてはその不確実性や影響などを考慮して判断するというように、明確に分けて考えるということです。それが、戦略策定でもあります。

 

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