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問題とは何か(2種類の問題と対応の方法)

 世の中には様々な問題があります。そして、それらに対応するという意味で問題解決という言葉もあります。このように、日常的に「問題」という言葉が多くの場面で使われていますが、ここで言う問題とは一体何かという定義について考えてみたことがあるでしょうか。

 

 ビジネスの世界で言う問題とは、

  問題=現状と期待(理想状態、ゴール)との差

を指しています。そして、問題解決を行うためにはこれが観察可能な状態になっている、すなわち、可視化されている、定義されている状態でなければなりません。なぜなら、後述する課題が定まらないためです。

  問題とは前述の通り、スタートとゴールの差異なわけですから、当然のことながらスタートとゴールが明確になっていることが必須となります。別の言い方をすれば、スタートとは、現座にの状態であり、どんなことが起こっているのか、どんな害が発生しているのか、そして、何が分かっていて、何が分からないのかといったことが定義された状態ということになります。そして、ゴールとは期待される状態、なりたい状態、実現したいことということになります。具体的なプロセスとしては、ベンチマークによってスタート地点を定義して、ポジショニングによってゴールを設定するということになります。

 

 一方で、問題とよく似た言葉に「課題」がありますが、課題とは問題を解決するためになすべきことです。従って、問題に比べるとよりToDoに近いものと言えます。目的と目標という言葉の関係に照らして言えば、問題は(達成、解決すべき)目的であり、課題は(達成条件、要素である)目標ということもできます。課題の定義、課題解決については、また別の機会に書いてみたいと思います。

 

 ここで、問題に話を戻すと、問題には大きく分けると二つの種類があります。

 

 問題の一つ目は、「発生型問題」であり、ある時、何かをきっかけに生じるものです。例えば、工程ミスで不良品が発生したというようなケースです。このケースは、期待(ゴール)側の状態は変化しておらず、現状が変化したものです。すなわち、工程ミスが発生するまでは、現状≒期待であったが、工程ミスによって現状が期待と乖離して現状≠期待という状態になってしまったために問題が発生したものです。そして、このタイプの場合には、通常は課題は顕在化しており、明確に認識できています。したがって、課題の定義、問題の設定は後述する発見型に比較して容易であると言えます

 

 問題の二つ目は、「発見型問題」であり、「予測型問題」、「潜在的問題」という言い方もできます。これは、まだ現状と期待との間の乖離が顕在化はしていませんが、放置すれば顕在化するというタイプです。例えば、ある商品の売り上げが現在は予算を達成しているが、少子高齢化や人口減少によって今後加工するということが予想された時、この問題が生じることになります。こちらは、前述のように発生型とは異なってまだ顕在化していないため、可視化する、定義するところをほぼゼロからスタートしなければなりません。そのため発生型問題と比較してやや難易度は高いと言えます。

 

 発生型は、その性格上どうしても対応が後手になります。従って、問題の特定や方針の決定、対策の立案などをスピーディーに行う必要があります。モタモタしていると問題はすでに発生しているわけですから、どんどん被害が拡大していくことになります。これに対して、発見型は如何にしてまだ見えていない問題を発見するかという「目」が重要となります。この目とは、言い換えると問題意識であり、問題意識が問題を可視化します。多面複眼的に、絶えず問題意識を持って物事を観察することで潜在的問題の可視化を行うことができます。

 

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