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ドラッカーの代表的な8大戦略

 戦略には様々な種類があることは皆さんご存知かと思います。有名なところでは、一時もてはやされた「ブルーオーシャン戦略」といったものがあります。また、戦略についての研究者も数多くおり、有名な例ではランチェスタードラッカーなどが挙げられます。戦略とは、何をどのようにするかという基盤となる考え方、基準となるものです。すなわち、戦略によって今後の進む方向が決まるのですから、大変重要なものであるということは容易に理解できます。

 そこで、今回はドラッカーの提唱する8大戦略について書いてみたいと思います。

  ドラッカーの提唱する戦略にも様々なものがあり、実はそれら全てを上げると8個では収まり切りません。ただ、闇雲に数を上げても理解が困難になるだけですので、今回はその中から代表的と思われる8個をピックアップしたいと思います。

 

 一つ目は、「トップ戦略」であり、「総力戦略」とも表現されます。文字通り、前者一丸となって、全てのリソースを投下して目的を達成するような戦略です。大きな投資、例えば、企業買収などはこれに当てはまるでしょうし、中小企業にとっては日々が総力戦とも言えるでしょう。ただし、この戦略で認識しておくべきことは、両刃であり、一歩間違えば玉砕戦になってしまうということです。その戦略が間違っていたり、戦略は合っていても戦いに敗れれば全てを失うリスクがあります。

 

 二つ目は、「柔道戦略」と呼ばれているものであり、別名「弱者の戦略」とも言われます。要するに、柔道の柔よく剛を制すという考え方に倣った命名です。大きな企業になればなるほど臨機応変に状況に変化に対応することは、特にスピード面で難しくなるのが世の常です。従って、弱者(主に中小)はその俊敏性を活かして状況の変化にリアルタイムに追随して、機先を制するというような戦略の考え方です。

 

 三つ目は、「創造的模倣戦略」です。ビジネスの世界では、オリジナリティー、新しさは多くの場合強力な武器になり、模倣はタブーとされています。しかし、ここで言われる模倣とは、単なるコピーではなく、ライバルの商品や技術をヒントに新たなものを生み出すということです。いわゆる、インスパイアされる、というように表現できるでしょう。完全にゼロから何かを生み出すことは容易なことではありません。何かの取っ掛かりをスタートにすることは有効な手段であるということです。

 

 4つ目は、「小規模市場戦略」、いわゆる、「ニッチ戦略」です。大きな企業が入り込んでくることが困難な小規模なマーケットを敢えて狙うというものです。ただし、当然のことながら小さなところを狙えば良いわけではなく、必要な利益を得られる、成長性がある、というような基本的な条件は満たしていなければなりません。また、当然のことながら、予想以上に有望であり、成長してしまうとライバルはもちろん、大手企業が参入してくる可能性もあることは忘れてはいけません。

 

 五つ目は、「専門市場戦略」です。前述のニッチ戦略と類似していますが、こちらは規模起点で考えるのではなく、領域としての専門性を重視する戦略です。現代風の言い方をすれば、マニア、おたくと呼ばれるような人たちがいるような領域を狙うということになるでしょう。また、自分たちの専門領域を確立して、狭くてもこの領域であればどこにも負けないようにするというのもこの専門市場戦略と言えます。

 

 六つ目は、「専門技術戦略」で、これは前述の専門市場戦略がマーケット視点であったのに対して、技術視点で考えるという戦略です。

 

 七つ目は、「価値創造戦略」です。これは、別の言い方をすれば「マーケット創造戦略」、「領域創造戦略」とも言えます。すなわち、それまでに存在しなかったようなニーズを生み出して、マーケット自体を自分たちで作り上げるというような戦略です。ただし、技術力やオリジナリティーはもちろん、市場調査力、未来予想力など様々な観点で高い能力が必要となる難易度はとても高いものと言えます。しかし、この戦略が取れれば勝つハードルは易しくなります。

 

 八つ目は、「価格戦略」です。これは説明の必要はないでしょうが、一つだけ補足するならば、必ずしも安くすることだけがこの戦略ではないということです。すなわち、高い価格であっても、内容、魅力が伴っていれば、逆にその高価格が付加価値として働くとがあり、このような戦略も含まれます。

 

 戦略とは、状況によって千差万別であり、残念ながら、簡単に説明したり、理解したりできるものではありません。しかし、戦略が勝敗を決めるのも事実です。戦略策定の工数を惜しむことなく、十分な検討を行うことが重要です。

 

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