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赤外分光法(FTIR)通信講座(研修・セミナー)開講のお知らせ

赤外分光法(FTIR)通信講座(研修・セミナー)

 

 赤外分光法(FTIR)を使いこなす

赤外分光法(FTIR)のコツとノウハウを解説
実務活用のためのFTIRの原理の理解
目的に合わせた測定法、アタッチメントの選択
帰属、スペクトルの読み方から解析の理解
様々な試料前処理法の解説
データ処理の方法と注意点の解説

 

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 赤外分光法はその特徴から、主に有機化合物の化学構造や高次構造の解析手段として研究、開発され、今日では研究・開発だけでなく工場でのインライン評価などにも幅広く一般に使用されています。また、最近では、ケモメトリクス(多変量解析)、2次元相関解析等の数学的解析手法や統計的解析手法などの適用も検討されており、その応用範囲はさらに広がりを見せています。

 近年になって、全反射法(ATR)を初めとした様々な測定法、アタッチメントの開発や装置の改良等によって、測定自体が容易になってきているのはもちろん、従来困難であったような試料も容易に測定が可能となってきています。これによって、さらに利用範囲は広がっており、今日においてはなくてはならない基本的な測定手法としてその地位を確立しているといっても過言ではありません。そして、装置の性能・ソフトのインターフェースが向上していることから、満足なスペクトルを得るだけでも大変な労力が必要というような状況ではなくなり、導入したその日の内に必要十分なスペクトルを容易に得られるような状況となってきています。

 一方で、測定自体は赤外分光装置自体や様々なアタッチメントの進歩により容易となってきているが、それらを正しく適切に選択して使いこなすことは当然必要であり、この点についてはブラックボックス化と選択肢の増加で逆に難しくなっているとも言えます。また、赤外スペクトルの複雑さによる解析の難しさ自体は変わっていません。スペクトルデータベースによる帰属の自動化も実現できてきてはいますが、その妥当性判断と解釈は人に委ねられたままです。言うなれば、英単語の意味は電子辞書ですぐに候補は見つかるが、どの意味、用法が適切かは自分で判断しなければならないということです。

  したがって、とりあえず測定を行ってスペクトルを得ることはできるが、その情報に意味を与えて使いこなすためには、原理や特徴の一定の理解やスペクトルの読み方、帰属の考え方、そこから得られる情報の解釈といったスキルは必須と言えます。また、試料の前処理や、データ処理といったことについてもより良いスペクトルを得て、目的の情報を得るためには必要不可欠と言えます。

 赤外分光法(FTIR)には複雑さや難しい面はありますが、決して一部の専門家にしか使いこなせないようなものではありません。正しく、適切に学んで理解することができればこれほど強力な武器は有りません。

 本講座では、このような背景をふまえ、赤外分光法(FTIR)について、装置やアタッチメントを含む原理、実際の分析操作やスペクトルの解釈、そして、事例などについて、原理だけでなく実務使用における測定技術や応用技術、ノウハウを解説する。講座は、3講に分けて解説し、各講では解説内容に沿って実際の分析を想定した演習を行います。

 

主な対象

  • 自身で赤外分光測定をする人
  • 赤外のデータを利用する人
  • 赤外分光測定を依頼する人
  • 研究開発、品質管理部門の人
  • 基礎開発力を向上したい人
  • 部門単位での受講

 

得られる知識、スキル

  • 赤外分光法(FTIR)のコツ、ノウハウ
  • 赤外分光法の基本原理
  • 各種測定法・アタッチメントの活用技術
  • 様々な試料、目的に合わせた測定法
  • スペクトル処理・解釈の方法
  • 帰属、解析の方法と考え方

 

開講・受付
 開講
  5,9,11月開始
 受付締め切り
  開講前月の20日
(人数が一定数以上の場合は随時開講)

 

受講料(税抜き)
 1名 45,000円
 多人数割引あり
  (お問い合わせください)

 

構成

第1講 赤外分光法の基礎と装置・アタッチメント

1.赤外分光法の基本原理
2.赤外分光法発展の歴史
3.赤外分光法の特徴
4.検出器
5.代表的な測定法
 5.1.透過法
 5.2.全反射法(ATR法)
 5.3.拡散反射法
 5.4.正反射法
 5.5.光音響分光
 5.6.ガスセル
 5.7.測定方法のまとめ
6.顕微赤外分光法
7.ラマン分光法との違い
8.ATR結晶等の取扱いや毒劇物対応

【演習問題】

 

第2講 赤外測定とスペクトルの見方

1.赤外スペクトルの概要
2.主な吸収帯
  2.1 赤外活性な主な振動モード
  2.2 主な振動モードの波数分布
3.代表的な官能基の帰属
4.赤外スペクトルの見方、同定解析
  4.1 赤外スペクトルの構造敏感性と複雑性
  4.2 赤外スペクトルにおける指紋領域の利用
  4.3 カルボニル基の判別
5.特徴的な吸収帯を用いた系統同定
6.同定のためのピークの帰属のポイントと注意点
7.定量分析と検量線の使い方
8.内標準法による試料間比較
9.ATR測定で試料間比較(ピーク強度比法)
10.大気成分補正
11.スペクトルの処理
  11.1 ベースライン補正
  11.2 スムージング
12.ベースライン
13.ピーク高さとピーク面積
14.混合物の解析
  14.1 ピーク分離
  14.2 差スペクトル法
  14.3 他手法との組み合わせ

【演習問題】

 

第3講 測定の実際と事例

1.各種試料の測定
  1.1 フィルム
  1.2 粉体
  1.3 バルク
  1.4 液体
  1.5 異物・微小物
  1.6 繊維
  1.7 汚染・表面付着物
  1.8 黒色試料
  1.9 結晶構造等の高次構造変化
   1.9.1 融解
   1.9.2 配向
   1.9.3 その他
2.様々な分析
  2.1 バルク分析(試料全体の情報を得る)
  2.2 表面分析
  2.3 深さ方向分析
   2.3.1 断面
   2.3.2 斜め切削法
   2.3.3 研磨法
   2.3.4 角度可変ATR測定
  2.4 温度可変測定
3.測定における注意点と対策
  3.1 ATRにおける異常分散
  3.2 ATRにおける試料変形の影響1
  3.3 ATRのおける試料変形の影響2
  3.4 KBr錠剤法における試料変質
  3.5 KBr錠剤法における粒度の影響
4.事例
5.フィルム上汚染(シリコーン)
6.樹脂劣化の深さ方向分析
7.ポリイミドの表面改質

【演習問題】

 

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