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ロビンズの6ニーズ

 人には様々な欲求があります。お金持ちになりたい、昇進したいといった極めて現実的なものから、社会の役に立ちたいといった内面的なものまで様々です。これらの欲求は感情や精神と関わっていることから、外からは理解できないこともしばしばです。そのため、これまでも多くの研究者たちが人の欲求を明らかにしようと努力してきました。

 そこで、今回はあまり一般的にはなっていませんが、「ロビンズの6ニーズ」について紹介してみたいと思います。

  人の欲求に関する整理でもっとも有名なものはマズローの五大欲求です。すなわち、

  • 自己実現の欲求 (Self-actualization)
  • 承認(尊重)の欲求 (Esteem)
  • 社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
  • 安全の欲求 (Safety needs)
  • 生理的欲求 (Physiological needs)

です。マズローの五大欲求の特徴のひとつは、欲求に階層構造を適用して、それらの相互関係について記述した点が挙げられます。

 

 しかし、今回紹介するロビンズの6ニーズはそういった階層構造は考えずに並列的に欲求を考えています。まず、ロビンズの6つの欲求とは

  • 安定感
  • 変化
  • 成長
  • 繋がり
  • 重要感
  • 貢献

です。どれも、ほとんどの人が自らが望むものとして心当たりがあるはずです。

 

 安定感の中には、文字通り安定した生活を送りたいといった意味もちろん、今の状態を維持したい、別の言い方をするとマイナス方向には変わりたくないという意味も含まれています。例えば、衣食住が足りていなければ、より文化的な思考をすることは困難であることもこの欲求と関係しています。マズローの言うところ、生理的欲求、安全の欲求と深くかかわっているとも言えるでしょう。

 

 このように人は安定を望むと同時に変化も望んでいます。一つには、より良くなりたいというプラス方向への変化を望むという側面です。そして、もう一つは「非日常」を望むという側面です。このように安定と変化という一見するとあい矛盾するような欲求を持っていることは、人とはとても複雑であることを端的に示していると言えるでしょう。

 

 変化の方向は当然のことながら通常プラスの方向を望むことは言うまでもありません。このことは3つ目の欲求である「成長」と深くかかわっています。すなわち、知らなかったことを知りたい、出来なかったことをできるようになりたいといった望みがこれに分類されます。そして、この成長欲求の背景には、ロビンズの6ニーズにもマズローの五大欲求にも含まれていませんが、言うなれば「勝利欲求」、「優越欲求」とでも呼べるような感情が関係していると考えることが出来ます。または、後述する「重要感」、「貢献」といった欲求ともかかわっています。

 

 人は社会性生物であると言われる通り、「繋がり」という欲求を持っています。他の人と繋がりたい、関係性を構築したいと誰もが願います。そして、同時にその繋がりの中で重要でありたいという「重要感」、その繋がり、言い換えると他者の役に立ちたいという「貢献」という欲求を持っています。また、最初に示した「安定感」という中にも、この繋がりの中での安定的居場所を持ちたいという欲求ともつながっていきます。

 

 このように、ロビンズの6ニーズは前述の通りマズローの五大欲求のような階層構造、すなわち、従属関係的なものではなく、並列的で相互に関連し合っているという構造を持っています。

 図で示すならば、

ロビンズの6ニーズ

と表現できるでしょう。

 

 人の感情とは複雑で、本質的には図に示せるようなものではないかもしれません。しかし、その中の重要なものだけでも、理解し、イメージを持つことはとても大切です。

 

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