JRLテックログ

JRLテックログ

ジャパン・リサーチ・ラボが提供する技術コンサルティング、人材育成、戦略策定、セミナー等の様々なコンテンツに関する情報を提供するブログです

交渉のコツ・ポイント(パイの大きさ)

 交渉とは、互いの利益を最大化することであるということは別項でも述べている通りです。一般には、この利益が含まれている入れ物を「パイ」というような言い方をします。すなわち、交渉における利益とは1枚のパイのようにある大きさ、量が決まっており、如何にして多くの割合を手にするかということが交渉だという考え方です。しかし、本当にそうなのでしょうか。

 今回は、交渉における「パイ」の考え方について書いてみたいと思います。

 例えば、ある商品の分配を考えた時に、当然ながら商品の総量は決まっています。そして、分配によって取り分が決まります。双方は、通常必要な、欲する量、多くの場合半分以上の最大量の取り分を得ることを目指します。言い換えると、分け合うパイの量は決まっており、交渉によって取り分を決めているということになります。ここでいう取り分とは、別の表現を使えば売買における利益のことです。

 

 確かに、このように利益という視点で考えるとパイの取り合いということになります。しかし、この売買という行為における価値とは本当に売買利益だけなのでしょうか。そこには、例えば売り手にとっては取引実績、納入実績という価値は無いでしょうか。また、買い手側にとって値引きによる利益とは金額もさることながら、値引きが行われたという事実にもっと大きな価値があるかもしれません。このように考えると、この交渉における価値は利益だけではない、すなわち、パイの大きさが変わることになります。

 

 交渉の目指すべきは勝ち負けではなく、双方にとっての利益の最大化でなくてはなりません。ここまでの表現を使えば、大きさが固定されていると思い込んでいるパイを取り合うだけではなく、パイの大きさ事態を変えるというパラダイムシフトを検討することが交渉の可能性を拡大することになります。

 

 問題は如何にしてパイを大きくするかということにになります。このときに最も重要なことは、視点を変えるということです。例えば、相手の視点に立ってみる、第3者的立ち位置に立ってみるということです。そうすることで、見えていなかったことが見えてきます。

 

 このように、交渉におけるパイの大きさは往々にして一定であり、その取り合いであると思いがちですが、多くのケースでそのようなことはなく、パイの大きさは視点を変えることで様々に変化します。したがって、交渉においては、表面に見えている価値だけでなく、様々な視点で多様な価値を算定していくことが重要です。

 

 交渉コンサルティングのご相談は、ジャパン・リサーチ・ラボへ。ご相談はこちらへ。

analysis.ikaduchi.com