JRLテックログ

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課題解決における問題の可視化(課題設定の方法)

 業務上の仕事の中ではもちろん、日常生活においても日々様々な課題、問題に直面して、その解決を行うことが必要となります。そんな中で重要だと言われていることに課題設定力と課題解決力があります。課題解決力は文字通り課題を解く力であり、知識や経験、思考力などが重要となるものであり、経験的にもイメージがある程度持ちやすいと言えます。一方で、課題設定力というのは馴染みも薄く、具体的にどういうことがイメージしにくい面があります。

 そこで今回は、課題設定力とはどういうものかという点について書いてみたいと思います。

  課題設定とは、別の言葉で表現すると「課題の定義」であるということができます。すなわち、そこに存在する課題とはどういうものなのか、何が問題なのかを明らかにすることであり、問題を把握することです。もっと異なる表現をすると、どんな答えが求められているのかを知る事であるとも言えます。

 

 このためにまず考えなければならないのは、現状すでに何か(問題)が起きていてその解決を求めれているのか、まだ問題は顕在化していないがより良い状態、言うなれば理想状態を求めているのかを判別することです。前者は「現状問題分析型」の課題、後者は「理想設定型」の課題であると表現されます。現状問題分析型では、前述のように問題自体はすでに顕在化している、すなわち、問題発生型であるので、課題の把握、課題の定義は比較的容易であると言えます。一方で、後者の理想設定型は問題自体はまだ顕在化していない、潜在状態であることから、これから問題を発見しないといけない問題発見型であると言えます。そして、このタイプの場合には、どこに理想を設定するかによって課題自体が変化します。このため、理想設定型の課題は課題設定がより難しいと言えるでしょう。

 

 問題発生型である現状問題分析型の課題の場合には前述のようにすでに問題は顕在しているので改めて発見するというプロセスは通常必要ではありません。しかし、ここで注意しなければならないのは、顕在化している問題が全てであるとは限らない、真の問題ではない可能性もあるということです。したがって、見えていること、分かっていることだけに惑わされることなく、真の問題に突き当たるまで深掘りをしていく必要があるということです。そのプロセスの典型が、いわゆる「なぜなぜ分析」と呼ばれる方法です。ここでは詳細は割愛しますが、真の問題に突き当たるために、なぜを〇回以上繰り返すというアプローチ法です。

 

 これに対して、理想設定型である問題発見型の課題では、なぜなぜ分析をしようにもまだ問題が発見されていないため取っ掛かりが無い状態です。したがって、当然ながら解決することもできません。このタイプの課題解決においては、まず問題を発見する必要があることから、課題(問題)意識が重要となります。極論すれば、これから起こり得るであろう課題を予想する、作り出すという考え方も必要となります。妥協や厄介ごと回避思考で問題を無視する、先送りするのではなく、積極的に問題にぶつかりに行くという考え方も必要になります。言うなれば、課題(問題)意識がスタート地点ということになります。

 

 また、現状問題分析型、理想設定型の両方に共通する注意点としては、解は必ずしも一つではないということです。どうも、受験勉強の弊害なのか、唯一の絶対的正解を求める傾向が最近の人には見られるようですが、現実はそれほど単純ではありません。したがって、唯一解タイプなのか、多解答タイプなのかということを見極めなければなりません。前者の場合には通常通り正解を探すことになります。一方で後者の場合には、複数の解を見つけた上で、最善の解を選択するというプロセスが必要になります。

 

 課題解決は避けて通ることができない必須のものです。解決のためには、課題自体を十分に把握することがまず必要です。そのためには、課題意識を持って課題を発見し、真相まで深掘りすることが大切です。

 

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