過去の応募では履歴書を書いて(手書き)提出することが必須であったため、応募側にもそれなりに手間がかかりました。しかし、現在はWEB経由でのエントリーシートの提出が主であることから、格段に応募の手間が軽減されています。これはこれで良いことなのですが、新たな問題も発生しています。
今回はエントリーのコントロールについて書いてみたいと思います。
エントリーの手間が減って容易になったことから、応募の母数自体は各企業ともに確実に増えていると言われています。母数が増えることは選択の幅が広がることに繋がりますから、双方にとって良いことであると言えます。
しかし、一方であまりの母数に詳細に見ることが困難となって、学歴フィルターなどと呼ばれるような、その人の能力や可能性を詳細に見ることなく、簡易足切りをせざるを得ないという状況が生まれています。そのため、優れた人材が野に埋もれてしまうという問題も発生しています。
また、「とりあえずエントリー」などとも言われる、さして応募の意思はないのに、もしも時のすべり止め、保険感覚で応募するケースも多数発生しています。このような応募者はエントリーだけして、トンずらということも少なくなく、採用側の手間だけが増えていきます。
ではどうすれば、このような双方にとって意味のないとりあえずエントリーを抑制することがでしょうか。
例えば、時代に逆行しているという意見もあるかもしれませんが、エントリーシートの手書き化というのも一つの方向です。確かに手書きにすれば応募側の負荷は増えますが、本当にその企業に入りたい、そこで仕事がしたいと考えているのであれば、それほど大きな障害とはならないはずです。逆に、とりあえずエントリー組にとっては耐え難いものになるでしょう。
また、コピペで対応できないような、自社独自の記載事項を設定するのも一つです。志望理由や長所短所など、どのエントリーシートにも書くようなことだけでなく、自社自体や商品、サービスに関すること、入社後について考えていることなど、コピペでは通用しないようなことを書かせるという方法です。これらの質問は、面接でも問いたいようなもので、問うこと自体にも大きな意味がありますから、一石二鳥とも言えるでしょう。
この他にも様々な工夫が考えられます。人材採用は、企業にとっては最大に投資であるとも言えます。だからこそ、準備は周到にする必要があります。