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コンプライアンスの本当の意味と実行の方法

 昨今の社会情勢として、規模の大小にかかわらずコンプライアンスの徹底が求められていることはすでにご存じの通りです。そして、この流れはすでに大きなものとなっており、企業の死活問題にまで発展することはいくつもの例が示しています。しかし、従業員に対するコンプライアンス教育が十分であるかと問われれば、まだまだイエスとは言い難い状況であるのも現実です。事実、コンプライアンスを単に法律を守れっていれば良いという理解しかしていないケースは少なくありません。

 そこで、今回はコンプライアンスの本当の意味と、その実行の方法について階見たいと思います。

  コンプライアンスという言葉が持つ意味を考える上で、最初に出てくるのは当然のことながら「法令順守」、すなわち、法律を守るということです。ただし、ここでいう法律という言葉の中には、いわゆる法律だけでなく、会社が独自に決めるルールも含まれています。さらには、社会通念、いわゆる常識もここに含まれることも少なくありません。法律を守ることは国民の義務であり、守って当然の絶対ルールであることは言うまでもありません。しかし、昨今の社会情勢ではそれだけでは不十分なことも往々にしてあります。したがって、ここで一部では社会通念、常識という意味も一部に含んでいる広い意味での「ルール」を守ると言うことができます。ただし、それらの解釈には多分に主観的側面がある点は注意が必要です。

 

 これらのことも含めて、二つ目に挙げられるべきは「遵法性」とでも言うべきものです。すなわち、性善説的精神に則って、法律やルールの抜け道を歩まないということ、グレーは黒であると考えることが望まれます。前述のようにルールや常識、社会通念の解釈には多分に主観的側面があることから、往々にしてグレーゾーンが発生してしまいます。そこで、黒ではないからOKと考えてしまっては遵法精神とは言えません。より白く考えることが必要となります。

 

 ここで重要となる三つ目に挙がるものが、「良識」です。これはまさに前述の、より白く考えるということであり、一般には、良識、マナー、常識というような言葉を使って表現されています。主観的判断をするときに、自分個人の利益だけを考えてしまうとどうしても黒寄りのグレーを選択してしまう懸念が生まれます。しかし、そこで第3者的な客観的視点、全体最適という考え方をすることで白寄りの立場を取る事ができます。

 

 四つ目は、良識と同様に重要となる「誠実性」です。誠実であること、すなわち、嘘、偽りを持って考え、判断しないことです。人間はどうしても自分のことを第1に考えてしまいます。そんな時、自らの考え方が黒寄りのグレーに傾いていると頭では分かっていても、そんな考えを偽ってしまうことがあります。そんな状況を止めるのが誠実性と言えます。後ろめたさを感じなくて良い判断を下す根源になるのがこの誠実です。

 

 最後に上げる五つ目は、「公正性」です。ここまで何度も述べている通り、被との考え、判断にはどうしても主観的な部分があり、かつ、自分のことが第1と考えてしまいがちです。そんな時にこそ、この公正性の精神で物事を考えることで、客観的に物事考えることができます。

 

 これら、「法令順守」、「遵法性」、「良識性」、「誠実性」、「公正性」は当然のことながらすべての人に求められることですが、ビジネスの場ということを考えると、経営者や管理職の人たちこそ率先して実践することが望まれると言えます。そうすることで、これらを会社の文化にまで高めていく基盤となります。会社の命を絶つような事態を生まないためにも、コンプライアンスについて今一度考えていただく機会になればと思います。

 

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