年の初めや期の初めなど様々な機会で目標を設定する機会があります。企業においては、目標管理制度などで期初に目標を設定して、期末にその達成度合いによって評価するようなシステムもあります。また、多くの場面で、何をするにしても目標を設定することが結果を出すためには重要であるというとも言われています。しかし、目標を設定すると言っても、何でも良ければ簡単ですが、適切な目標ということになると途端に悩んでしまうものです。
そこで、今回は目標設定の考え方について書いてみたいと思います。
目標設定でほとんど人が最も悩むのがその難易度、レベルの設定ではないでしょうか。
達成できることが確実で分かり切っているような目標では意味が無い、
かと言って、
あまりにも高すぎる目標は達成できる気がしない。
そんな風に皆さん考えてしまうのではないでしょうか。
しかし、みなさん良く考えてみてください。目標のレベル、難易度は達成可能性で決めるようなものでしょうか。
達成できるかどうかではなく、達成することで意味があるか、価値が生み出せるか、結果、成果を得ることができるかが最も重要なことではないでしょうか。確かに目標を設定することが、人事評価のためのもので育成を主目的としているのであれば、達成可能性という観点は必要になってくるでしょう。しかし、結果、成果を得ることが目的であれば、難易度やレベルは極論すればどうでも良く、その目標を達成することによって得られるもので考えるべきではないでしょうか。
目的が達成できるのであれば、出来るだけ達成可能性が高い、レベル、難易度の低い目標を探すのが正しい姿であると言えます。
しかし、一方で達成したい目的、目標というものは高いに越したことがないというも事実です。だからといって闇雲に高くすれば達成可能性が低くなり、結果が得られなくなってしまいます。そんな時に検討したいのが、「必成目標」と「望成目標」という考え方です。必成目標とは、必ず達成する必要がある、言うなれば、最低限の目標ということになります。一方、望成目標とはできれば達成したい目標ということができます。
ベンチャーなどの世界では、アップサイド、ダウンサイドなどというような言い方もされます。将来の業績、成長に関する目標、予想値に対して、前述の必成、望成と同じ考え方でこのような設定の仕方をします。これは、ベンチャーのとっては目標未達とは、すなわち、消滅を意味します。しかし、リスクを取ってレバレッジをかけるのも同時にベンチャーの宿命です。そんな時に、このアップサイド、ダウンサイドというような考え方をします。
通常の目標設定においても、必成目標と望成目標という二つの目標を同時に設定して、計画を立てつつ、それを実行していくことで、より高い成果を期待することができます。