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理解、納得、共感を得るために必要なもの

 社会生活を営んでいく上では、人と人の関わり、コミュニケーションは決して欠かすことのできないものです。コミュニケーションにも様々なものがありますが、多くの場合に関わってくるものが、相手の「理解」、「納得」、「共感」です。特に、誰かに何かをお願いする、指示するといった時には、これら理解、納得、共感が無ければ、嫌々ながらのやらされ仕事になってしまい、期待するような反応、結果を得ることは困難となります。

 そこで、今回は理解、納得、共感を得るために必要となるものについて書いてみたいと思います。

  まず必要となるのが、「理念」です。言葉の定義上は、

「 ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え。哲学で、純粋に理性によって立てられる超経験的な最高の理想的概念。イデア。」(デジタル大辞泉

とされています。物事の根本、根源を形成するものであり、信念、理想という表現も含まれるものと言えます。日常生活で理念という言葉を使うことはあまりないかもしれませんが、信念や理想と言い換えればもう少し身近になるかもしれません。理念として身近なものを上げれば、経営理念があります。

 やはり、誰かに何かを言われたとしても、その人の言動が一定せず、ふらふらとしていたら、言っていることを理解したり、納得することはもちろん、共感することなどできないのは要に理解できるかと思います。正しいかどうかは別にしても、少なくとも一本通った筋がなければ人の感情を動かすことはできません。人は感情の生き物ですから、強い思いが人の心を動かすと言っても良いでしょう。

 

 次に必要なものは、「意義」です。少し異なる表現を使えば、意味や価値ということもできるかもしれません。その人個人であっても、自分自身であっても、社会的観点であったとしても、その事柄によってどんな良いことがあるのかと言っても良いでしょう。もっと言えば、「何のために」という問いに対する答えであるとも言えます。

 

 そして、この何のためにという点をさらに突き詰めたものが次に必要なものとして挙げなければならない「目的」です。例えば、そのお願いが完全に個人的なエゴを満たすためのものであったなら、多くの人は理解を示すことも、納得することも、共感することも難しいでしょう。したがって、ここで前述の意義と関わってくることになります。単に目的を持っていれば良いのであれば、エゴイスティックな目的も含まれてしまいます。しかし、そこに社会的意義などのより広い範囲の価値が含まれれば、理解、納得、共感を得る基盤となることができます。

 

 この点をさらに推し進めると、理解、納得、共感を得たい人の立場における意義、目的、さらに言えば、価値という観点が重要であることが理解できるかと思います。もちろん、ボランティア等のように純粋に他人のため、社会のためということはあります。しかし、これらも心理的には、自らのアイデンティティーの高まりなどの自己充足感等による部分は否定できません。すなわち、社会の役に立っていると感じることで自分自身の価値の向上と言うことができます。そういう意味では、ここでいう意義や価値とは、金銭的なものに代表される、いわゆる物欲、実欲的なことだけではないということです。

 

 他人に、自分の意図を理解してもらうことだけでも容易なことではなく、ましてや、それに倒して納得してもらい、共感まで得ることはさらにハードルは上がります。しかし、自発的に意思決定して、行動してもらうためにはそのレベルに達する必要があります。

 

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