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交渉におけるエスカレーションの影響

 交渉においては、様々な影響要因があることはこのブログでも何度か取り上げています。例えば、別項でも書いている意思決定におけるバイアスの影響などもその一つです。そんな中に、エスカレーションと呼ばれるものがあります。エスカレーションとは、 段階的に拡大していくこと、度合を激しくすることを意味しています。

 そこで、今回は交渉におけるエスカレーションについて、その原因や対応、注意点などについて書いてみたいと思います。

  エスカレーションとは、前述の通り、段階的な拡大や激しさ増すことであり、交渉においては主に感情に関係して作用します。いわゆる、「熱くなってしまう」、「エキサイトしてしまう」というような状態を指しています。最初は冷静に話し合っていたのに、気が付くと感情を露わにして、冷静な判断ができなくなってしまっているという経験をしたことがある方は少なくないでしょう。そのような状態になってしまうと、自分の感情が抑えられなくなり、最終的には振り上げた拳の下ろしどころが見つからず、引っ込みがつかない、場の収集がつかないというようになってしまいます。

 交渉とは、冷静に客観的に進めるべきであり、感情が前面に出ればまとまらなくなることは誰もが知っています。しかし、そこにエスカレーションの罠が待ち構えています。

 

 エスカレーションの代表的なものの一つが、競争的エスカレーションです。競争的非合理性と呼ばれることもあります。これは、負けたくない、勝ちたい、後に引けないという心理によって論理的判断ができなくなる状態です。最も分かりやすい例は、オークションです。ライバルと競り合っているうちに、気が付くと熱くなっていて、当初の予算を超える金額でベットしている状況です。また、少し違った例では、ギャンブルで負けているにもかかわらず、次こそは、次こそは取り返すと熱くなってしまい、深みハマってしまうのも一種のエスカレーションです。当然、ビジネスの場、取引の場でも同様のことが起こります。どうしても契約がとりたいという心理が働き過ぎて、競争的エスカレーション状態になってしまい、結果的に赤字の契約をすることになってしまうようなケースです。

 

 もう一つエスカレーションの例を挙げると、コミットメントのエスカレーションと呼ばれるものがあります。これは、一度意思決定したコミットメントを非合理的に継続しようとする心理状態です。例えば、安易にOKと言ってしまったために、後に引けなくなっているような状況です。また、後から自分の考えが間違っていそうだと木津浮いても、間違いを認めたくないという感情が勝ってしまい、維持になってしまうような状態もコミットメントエスカレーションの一種です。言うなれば、意地やメンツが前面に出ているような状態です。

 

 このように、交渉の場では様々なエスカレーションが意思決定に対して影響を与える可能性があります。その影響を最小限にするためには、客観的視点を意識することが重要です。

 

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