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モチベーションにおける利益最大化原則の影響

 人は誰しも欲しいものを得たい、それもできるだけたくさん得たいと思うものであり、これは生物としても当然の思考であると言えます。しかし、そういった利益を最大化するためにはリスクが伴うこともしばしばです。実は、この利益とリスクのバランスが極めて難しく、それがモチベーションにも影響します。

 そこで、今回は利益最大化の原則と呼ばれるものとモチベーションの関係について書いてみたいと思います。

  「利益最大化の原則」とは、

 人は通常得られる利益を最大化する選択をする

というものです。

 例えば、二人組の一方に金の延べ棒3個を渡し、二人で上手く分けてほしいと指示します。分ける割合は最初に渡しした人が決めます。相手が了解すれば二人とも貰え、相手が了承しなければ没収されます。

 相手にしてみれば一本でももらえればゼロよりは多いので了承してもはずです。しかし、実際には皆さんご想像の通り交渉は難航します。これは、より利益を得たい、他方よりも得をしたいという心理が働くためです。このような状況を利益最大化の原則と呼びます。

 

 モチベーションについても、この利益最大化の原則は大きな影響を与えます。何かの業務指示を受けた時、そこに自分にとっての利益(金銭だけでは限りません、成長感や満足感といったものも含まれます)があれば、一般的にモチベーションは高まります。しかし、自分にとっての利益が感じられない、または、労力に見合わないと感じられるとモチベーションは生まれません。

 このような観点から、モチベーションを高めるためには一定のリターンがプラスの作用をもたらすということが言えます。

 

 しかし、例えばプロジェクトのリーダーを打診されて上手くいけば大きなリターン(出世かもしれません)が期待できるが、失敗すれば将来が厳しくなるという場合には、モチベーションは生まれにくくなります。すなわち、利益最大化の原則のズレが生じて、バランス思考、場合によってはリスク回避思考になってしまうためです。

 ただし、ここでリスクに対してリターンが十分に大きいと感じられれば当然モチベーションは高まります。逆のパターンではモチベーションは生まれないのは容易に想像できます。難しいのは中間的な場合です。このような場合には、新たなリターン(成長や成功した時の達成感、満足感など)を提示することで天秤を前者に傾けることが出来ます。

 

 いずれにしても、共通するのはモチベーションに対して心理的作用が大きく影響するということです。部下等のモチベーションを高めたいというときには、相手の心理を創造して、導くことが大切です。

 

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