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モチベーションを高めるマネジメントの方法

 このブログでも何度となくモチベーションについて書いています。人間とは感情の生き物であり、どうしても気分に左右されることから逃れないと言えます。だからこそ、モチベーションを無視して力任せにというわけにはいかないのです。モチベーションは、行動のトリガーであり、原動力であると同時に、ゴールのレベルを決めるものでもあります。

 そこで、今回はモチベーションを高めるマネジメントの考え方、方法について書いてみたいと思います。

  人のマネジメントには大きく分けると二つのパターンがあります。

 

 一つは、プロセス管理

 もう一つは、ミッション管理です。

 

 前者は、与えた指示の達成について、何を達成するということだけでなく、そのやり方、方法まで規定する、指示するマネジメントの方法です。いわゆる管理型マネジメントとも言われるものです。プロセス管理型の場合には、全てを管理することになりますから、逸脱のリスクは抑制できると言えます。一方で、その利点を全て無に帰してしまうほどのいくつもの問題点があります。

 

 一つは、教育的観点における問題です。もしあなたが何かの指示を受けた時に、そのやり方も含めて仕事の進め方をすべて指定されたとしたらどうでしょうか。果たしてそこにモチベーションは生まれるでしょうか。ほぼ間違いなく、「やらされ仕事」として、こなすこと、済ませることに専念するのではないでしょうか。もはやそこには、モチベーションだけでなく、工夫や思考といったものは介在しません。従って、自ら能動的にという意識が存在しないので、成長を期待することはできません。言われたことを淡々と何も考えずに実行するだけの人が生まれるでしょう。これでは、企業においてきわめて重要である人材育成が機能しません。

 

 もう一つの問題点は、「出来栄えの制限」です。これは、求める仕事の結果はもちろん、その方法も規定し、考えて工夫することを否定するわけですから、期待した結果に至らないということは起きても、そこを超える、期待を超えるということは起きえません。したがって、仕事の出来栄えが管理者一人の力量によって規定されてしまいます。これでは、組織としてのシナジーは生まれません。工夫の余地があるからこそ、そこに成長が生まれ、出来栄えレベルが向上します。

 

 このほかのことも含めて、プロセス管理型マネジメントは、特にモチベーションという観点において大きな問題を孕んでいると言えます。

 

 これに対して、ミッション管理型マネジメントは、期待するゴール(成果)は既定するものの、そこに至るプロセスは任せるという管理方法です。指示を受けた側は、自らどうすれば与えられたミッションを達成できるかを考えなければなりません。このフェーズ自体が教育的プロセスであることはもちろん、そのミッションを「自分事」として強く認識させるものです。

 

 当然、間違った方法を選択してミッションが達成できないというリスクは生まれます。しかし、ミッション管理型マネジメントでは、プロセスを考えさせることはしますが、放置はしません。適切な指導やフォローを行うことでより適切なプロセスへと導きます。ここで重要なことは、安易に答えを与えるのではなく、ヒントとしての考え方を与えるということです。そうすることで、やり遂げた時の達成感をより大きくすることができ、それがまた次のモチベーションへとつながります。

 

 どちらがより望ましい管理型は言うまでもなく、ミッション管理型です。しかし、現実的には容易ではありません。なぜなら、管理者自身に対してより高い力量が求められるからです。

 部下のモチベーションを上手くマネジメントしたいと考えるのであれば、安易にモチベーション向上の方法論に走るのではなく、まずは、自らのモチベーションをマネジメントすると同時に、自らの管理者としての力量を高めることが重要です。間違いなく、管理者のモチベーションと部下のモチベーションには強い相関関係があります。

 

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