人材は人財とも言われるように企業にとって生命線であることは言うまでもありません。しかし、人を育てること(人材育成)はとても難しいものです。十人十色という言葉がある通り、様々ま人がいます。したがって、人材育成と一口に言っても、相手によってその内容や教え方を変えなければなりません。そんな難しい人材育成ですが、いくつかのポイントはあります。
そこで、今回はそんないくつかある人材育成のポイントの一つについて書いてみたいと思います。
今回のテーマは、教える内容や教え方ではなく、それらによって教育フェーズが終わった後のことについてです。
それは、ずばり「バランス」です。
バランスと言っても様々なことが考えられますが、その中でも重要となるのが
「どこまで指示を出すか」
「どこから任せるか」
のバランスです。
教育が終わったと言っても、いきなりすべてを一人でというわけにはいきません。また、教えたことを使って何をしてほしいかということは指示しなければなりません。しかし、問題はこの指示の中でどこまで説明するかということです。
例えば、何かの作業を指示する場合にも、作業のやり方から全てを説明するというやり方もあれば、作業の結果(得たい成果)だけを指示してやり方は任せるというパターンもあります。当然、これらは相手の力量(理解度)によって決まります。ここで、指示を出しすぎると学習の活用ができず、さらなる成長が望めません。しかし、十分に理解できていないのに結果だけを示しても事故やトラブルを誘発します。
すなわち、前述の「どこまで指示を出すか」、「どこから任せるか」のバランスがさらなる理解、成長を生むかどうかを決めるということになります。
任せるということは、任せる側にしてみればリスクもあり、難しいところではあります。しかし、そこで一歩踏み込むことが相手の成長につながるのです。故松下幸之助氏は「任せて任さず」という言葉を残し、「やってみなはれ」とよく言っていたと言われています。まさに、これらの言葉の通り、そこから成長が加速すると言えます。