JRLテックログ

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なぜ「すしざんまい」は3億以上でマグロを買うか

 テレビやネットで毎年話題になっていますが、初マグロが競り落とされました。今年は3億円を超えました。そして、競り落としたのは皆さんご存知の通り、すしざんまい、です。昨年はほかのところが競り落としましたが、今年は返り咲きというところです。

 

 さて、みなさんこのニュースを見て不思議に思われているのではないでしょうか。

 

 3億円以上も出して、採算は取れるのでだろうか。

 

 1kgあたり120万円を超えるそうですから、寿司一貫が軽く1万円を超えるでしょうか。さすがに初物で近海マグロと言っても、この値段では商売として成立しません。したがって、はじめからこのマグロで商売をする気は無いということになります。

 

 では、なぜそんな値段で競り落としたのでしょうか。

 

 その答えは、冒頭に書いた話題になっているということです。ほぼすべてのテレビ局で1日中何度も放送され、ネット上でもそれこそyahooのトップページに掲載されています。当然全国紙、地方紙問わずに掲載されるでしょう。そして、当然そのたびに、すしざんまいの名前が出てきます。

 

 その経済効果は予想をはるかに超えるものです。CM料金はキー局で1回数十万円から100万円前後と言われています。各局で何回も流れますし、CMの15秒をはるかに超える時間ですから、これだけで数千万円から1億円近い効果があるでしょう。全国紙の2段1/2の広告で数百万円ですから、地方紙も合わせると数千万円ですが、記事として出るわけですからその効果は倍以上でしょう。そうなると、この二つだけで1.5億から2億近い効果が期待できます。さらにインターネットが加わりますから、3億出しても元は取れる計算になります。

 

 これこそが、すしざんまいの作戦です。そして、まさにこれぞ戦略的判断と言えるでしょう。

 

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