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組織とは何か(組織の定義)

 企業そのものはもちろん、部署も含めて、組織で構成されていることは皆さんご存知の通りです。しかし、「組織」と簡単に表現していますが、組織とは一体どのようなものであるのかということを深く考える機会は少ないのではないでしょうか。少なくとも、単に複数人数が集まっていれば組織になるわけではないことは周知のとおりです。

 そこで、今回は組織にとって必要なことと観点での組織の条件について書いてみたいと思います。

  組織というものについて、改めて言葉の定義確認すると、

「一定の共通目標を達成するために、成員間の役割や機能が分化・統合されている集団。」(デジタル大辞泉

と書かれています。

ポイントは、

  • 共通の目標
  • 役割や機能の存在
  • 分化、統合
  • 集団

と考えられます。

 

 もっとも簡単なものは、最後に挙げられている「集団」ということになります。少なくとも、一人では組織とは呼ばないということです。なぜ集団でなければならないのか、これは根本的な問いになります。一人であっても対象や物事を統合することは可能ですし、一人で役割をかけ持つことも可能でしょう。もちろん、自分自身の目標も存在します。しかし、なぜそれでは組織と呼ばないのか。そこには、情報やナレッジ(知識)の集合ということが重要な意味を持っています。複数の人が集まることで、当然のことながら情報やナレッジが増えていきます。そこに組織としての大きな意味が存在しています。同じような人がたくさん集まっても、そこに進歩発展は期待できず、単なる工数の増加でしかありません。しかし、昨今ダイバーシティーの重要性が言われている世に、多種多様な人が集まれば、情報やナレッジは飛躍的に増大します。それこそが組織の強みであると言えます。したがって、ここで集団とは、単なる人数という意味ではなく、情報やナレッジの集まりと捉えることが必要です。すなわち、この集合とは言い換えるなら、「衆知」という言葉に近いものであるとも言えます。

 

 次に、「共通の目標」については、前述のように異なる情報、ナレッジの集合ということは、異なる考え方が集まるということになります。したがって、当然ながら、向いている方向、進もうとする方向や物事の見方、考え方も異なったものになります。ダイバーシティーという考え方のもとでは、そのような状況も確かに重要ではあります。しかし、いざ進もうとしたときにみんながバラバラの方向を見ていては、文字通り組織としての力が分散して、打ち消し合ってしまうことになります。そんな時に、組織を構成する人たちの進む方向、ベクトルを統一するための道しるべとなるのが目標ということになります。そういった意味で、組織がその力発揮するためには、共通の目標が必要ということになります。

 

 「役割、機能の存在」については、複数の人が一つの目標に向かって進もうとするとき、問題となるのは進む方法だけでなく、並ぶ順番、すなわち、役割が必要になってきます。みんなが先頭に立とうとすれば統制が取れなくなり、組織は分解します。また、多様性という点からも、それぞれに対して得手不得手も存在します。それらを踏まえた上で、適材適所という言葉の通り配置していくことになります。これこそが、役割であり、それぞれが役割をきちんとこなすことで、組織内での機能が発現します。

 

 前述の役割、機能によって、それぞれの構成員が個々に活動することになるわけですが、そうなると問題となるのは、まとめるというプロセスが必要になります。役割化、機能化するということは、組織構成員を分化するということになります。これがまず、「分化、統合」の分化に当たります。しかし、分化しただけで終わると、バラバラの結果が発生するだけであり、これを共通の目標達成に向けて集約しなければなりません。これこそが、「分化、統合」のもう一つの要素である統合に当たります。通常、この分化や統合を行う「役割」を担うのがリーダーということになります。したがって、前述の役割、機能という観点も含めて、組織にはリーダーが必要であるということになります。

 

 このように、組織とは単なる集まり、集合体でなく、様々な情報やナレッジが集約された多様性のある中で共通の目標に向かってそれぞれが個々の役割を担いつつ一つに統合されたものであるということになります。

 

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