JRLテックログ

JRLテックログ

ジャパン・リサーチ・ラボが提供する技術コンサルティング、人材育成、戦略策定、セミナー等の様々なコンテンツに関する情報を提供するブログです

新型コロナに見る優先順位の問題

 まだまだ先の見えない戦いが続いている新型コロナですが、緊急事態宣言を含めて様々な課題が浮き彫りになってきています。政府や自治体の対応、各個人の行動など様々な問題があります。しかし、それらの中で共通して見えるのが優先順位に関する問題です。

 

 緊急事態宣言の前からの行動自粛、宣言後は営業自粛が大きな話題となっています。国内ではあくまでも要請であり、自粛ですが、海外ではロックダウンや罰則を含めた強制力が行使されています。それぞれ一長一短、お国柄や民族性、文化の違いもあるでしょうから、一概にどれにしなければならないという結論は容易ではありません。

 

 日本国内においては、自粛と保証は一体である、保証もないのに自粛はできないといった声が多く聞かれます。確かに、経営者の方や働く方にとっては重大な問題と言えます。しかし、社会全体、人類としてみた場合に、何が最も優先される必要があるでしょうか。

 

 優先順位という考え方をした場合、間違いなくそのトップに来るものは人命です。そして、その人命を左右するのが感染拡大であると言えます。したがって、今最も優先順位が高い命題は感染拡大を止めるということです。これまでは、給料が、売り上げがあったから好きなものが好きなときに食べられた、手に入った、なのに自粛したらそれができなくなる、どうしてくれるんだということに対して、では、それらと命とどちらを取りますか、と問われたら間違いなく命と答えるでしょう。

 

 今の状況はこの命の選択をしている状況だということを理解する必要があります。

 

 そして、仮に営業を続けて店が残ったとしても、感染爆発によって社会が崩壊すれば全く意味はありません。経済とは社会と一体ではありますが、土台にあるのは経済ではなく社会が存続するということです。確かに、経済的ダメージは甚大で、社会構造自体にも影響するでしょう。しかし、社会基盤さえ残っていれば、時間はかかっても回復できます。ところが、感染爆発で社会基盤が崩壊したらゼロからのスタートであり、復興は極めて困難なものとなります。

 

 優先順位とは、目先のことを見るのではなく、将来を見越した判断が重要となります。これは、企業活動、社会活動に共通するものです。ここで判断を間違えば、存在する場所を失うことになります。今は、それぞれが少しずつ自分を犠牲にすることもいとわずに、社会全体、人類としての優先順位を考える時です。もちろん、これは経営者側、働く側だけでなく、利用する側にも言えることです。

 

 豊かで便利な生活を望むことは当然であり、その実現のためにはお金が必要です。しかし、お金は決して最優先のものではありません。

 

 この文を呼んで、営業自粛して当たり前と言いたいと感じられたとしたら私の文才の無さです。営業自粛に対しては、感謝をしなければなりません。彼らは自らの生活を犠牲にして社会のために営業自粛してくれたのです。ですから、我々にできることを考えて、彼らの営業自粛を支援しなければなりません。飲食店であれば、気分転換も兼ねてテイクアウトやデリバリーを利用する、一部で始まっている終息後の利用権を先払いして今の生活を支援するなどです。

 

 今は、みんなで協力して、助け合う時です。日本は、あの東日本大震災をひとつになって乗り越えてきたのですから、必ず、この新型コロナも乗り越えられます。

 がんばりしょう。