努力することを苦痛に思う人と思わない人がいます。また、同じ人でも努力を苦痛に感じない、または、努力しているとすら感じない時と、早く終わってほしいと苦痛に感じる時があります。この違いはなぜ生じるのでしょうか。
今回は、そんな努力に対する感じ方の違いの理由について書いてみたいと思います。
努力に対する気持ちは、タイトルに書いた通り言い換えればモチベーションと言うこともできます。努力に苦痛を感じない時はモチベーションが高いとき、逆に、苦痛を感じるときはモチベーションが低いときと言えます。今回はこの違いについて考えているわけですが、少なくとも気持ちの問題、内面の問題であるということは間違いないでしょう。
違いの最大の理由は、「意味(意義)の有無」であると言えます。
すなわち、努力の対象に意味や意義を感じられるときには、その努力に対する苦痛は抑制されます。しかし、意味や意義を感じられないとき人は苦痛を感じます。例えば、何の説明もないやらされ仕事は苦痛に感じます。これは、説明が無いことで、最重要であるはずの意味や意義が見出せないからです。
二つ目の理由は、「報われるかどうか」です。
努力の結果何が得られるのかは、そのまま努力の価値に成り得ます。「無駄な努力」という言葉がありますが、これは「報われない努力」と言い換えることが出来ます。逆に、成長できるといったものはもちろん、給料が上がる、褒美がもらえる、さらには褒められるというレベルでも良いのですが、何かが得られる、報われると確信できるとき人は努力に苦痛を感じにくくなります。
このような考え方から、努力する気持ち、モチベーションは以下のように表すことができます。
(得られるもの×得られる期待値)÷ 困難さ
この考え方は、自分自身の気持ちを鼓舞する、モチベーションを高めるときはもちろん、部下のモチベーションを高めるときにも応用することができます。
ただし、得られるものはできれば、褒美の類ではなく、成長感や達成感であることが望ましいと言えます。この考え方を、前者をモチベーション2.0、後者をモチベーション3.0などと表現したりします。
モチベーション2.0の方でも一定の効果は得られるのですが、どうしても、ショートカット思考が働いてしまったり、こなす、何とかして楽に早く終わらせるという方向に思考が向いてしまい、結果のレベルが下がったり、時にはミスを誘発したりすることがあります。これに対して、モチベーション3.0では自らが実施する理由も目指す状態も、そこに至るプロセスも決めることになるので、モチベーション2.0のようなことは起こりません。
自分の気持ちを動かす、人を動かすことは容易ではありませんが、それこそがマネジメントの基本でもあります。
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