人事評価では様々な落とし穴があり、気を付けるべき注意点ががいくつもあることは別項でも書いている通りです。その中の一つがすでに書いた「中心化傾向」ですが、人の認識というものは本当に不安定で、様々な影響を受けます。今回はその一つであるハロー効果について書いてみたいと思います。
「ハロー効果」は、「後光効果」と呼ばれることもあり、
評価対象の目立ったり、印象に残ったりする特徴に影響されて、引きずられてしまい他の特徴についての評価が歪められる現象のこと
をいいます。
ハロー効果には、ポジティブ・ハローとネガティブ・ハローの二つがあります。それぞれ読んで字のごとくで、ポジティブ・ハローは良い印象に引きずられて全体に高い評価をしてしまうことであり、ネガティブ・ハローは逆に悪い印象に引きずられて全体に低い評価をしてしまうことを言います。
例えば、ポジティブ・ハローの例としては、有名大学を出ているから優秀なはずだから、過去の優秀な業績を出しているのだからといった考えから、今回の失敗はたまたまだろうと思ってしまうことなどが挙げられます。逆に、ネガティブ・ハローでは過去の失敗を引き合いとしてどうせダメだろうと決めつけしまうことなどが挙げられます。もっと身近では、見た目で相手を判断してしまうというのもハロー効果の一つとして挙げられます。
では、こういったハロー効果に惑わされないようにするためにはどうしたらよいでしょうか。
まず重要なことは、事実と想像・推測を明確に切り分けるということです。ハロー効果では、先の例のように本来は全く創刊していない過去の事実や情報によって推測したことをあたかも事実のように考えしまうことが根底にあります。したがって、これらをしっかりと切り分けて判断することでハロー効果の影響を抑制することができます。
では、実際の能力や性格などをどう判断するかということになると、改めて確かめるしか確定的な判断は困難と言えます。昨今であれば、インターン制度を活用するというのもその一つです。また、従来の面接であれば紋切り型の形式だけで意味のない面接ではなく、面接力、採用力を鍛えるということも重要です。
最近では、このハロー効果を積極的に使って面接を有利に進めようとする人も出てきています。そういったものに惑わされないように、改めて採用プロセスを見直す必要があるでしょう。
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