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学習における意欲分布モデル

 学校でも企業でもすべての人が高い意欲を持って学習に取り組んでくれればよいのですが、必ずしもそうではないというのが現実です。積極的、自発的に学ぼうとする人もいれば、いくらお尻を叩いても学ぼうとしない残念な人もいます。

 今回は、そうした学習者の分布モデルと対応について書いてみたいと思います。

  最初のタイプは、「積極的学習者」と呼ばれる人たちです。文字通り、積極的に自ら自発的に学ぼう、レベルアップしようと考えるタイプです。このタイプは平均的には全体の10%程度であると言われています。高い拡張的知能観を基盤として、自らの能力は学ぶことで無限に拡張できると考えています。そして、何よりも学ぶことを楽しむことができます。

 このタイプに対しては、積極的に関与することは逆効果になることがあるので、何よりも重要なことはその学習意欲を阻害しないことに注意を払う必要があります。例えば、学習の義務化ではなく、学習の環境を整えることが大切です。ただし、時には学習のベクトルがズレたり、偏ったりすることがあるので、環境と共にゴールや目的の共有を明確にすることが大切です。

 

 二つ目のタイプは、「消極的学習者」と呼ばれる人たちです。全体の60%を占めているとされ、典型的なタイプ、マジョリティーであると言えます。彼らは、学習すること自体を拒否することはせず、始まれば真面目に対処します。しかし、自ら自発的に学習をスタートすることはありません。彼らは、固定的知能観に基づいており、知識は増やせえても能力は固定的であると考えています。一方で、利があれば動くという特徴も持っています。

 このタイプに対しては、インセンティブや義務感など意欲を高める仕掛けを用意することが大切であると同時に、トリガーを与えることが必要となります。しかし、前述の通り大部分を占めるマジョリティーであることから、このタイプをどう動かすかということが育成の中心になると言えます。

 

 3つ目のタイプは、「学習拒否者」と呼ばれる人たちです。文字通り、何を言われようが、されようが学習する気は無いと決めている人たちであり、実に全体の30%に及ぶと言われています。インセンティブも罰も効果はほとんどなく、何とかして逃れたい、早く終わらせたいということだけを考えています。

 このタイプに対しては、まずは前述の二つのタイプへの影響を最小限にすることが重要です。悪い空気は伝染すると同時に、阻害要因になります。したがって、場合によっては育成対象から外すということも選択肢の一つに成ります。要するに、大切な育成リソースを無駄にしないという判断です。ただし、彼らにも仕事はしてもらわないといけませんので、ルーチンワークなど限定業務をあてがうということも一つです。

 

 人は十人十色で、人材育成とはそれらに合わせなければならず、そのため一筋縄ではいかないものです。しかし、だからと言ってあきらめるわけにいかない重要なものであることは言うまでもありません。今回の3タイプ分類も参考に育成を検討してください。

 

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