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言葉の定義の重要性(例えば、表面)

 どんな分野、業界でも必ず特有の言葉、いわゆる専門用語と呼ばれるものがあります。当然ながら、その分野、業界の人は特に何も考えることなく、ごく普通に日常用語として使います。しかし、その分野や業界に携わっていない人にしてみれば、チンプンカンプンで、半ば外国語のように聞こえることも珍しくありません。

 

 例えば、ある業界には「かねつじこう」ということばがあります。どんな意味で、どんな漢字が使われているか想像できるでしょうか。実は、この言葉、電子工業分野の一部で使われている言葉で、漢字で書くと「加熱時効」とかきます。漢字で書くと何となく意味が分かってきました(こんな時、日本語って素晴らしいと改めて思います)。読んで字の如く、加熱による時間効果、すなわち、過熱時における経時変化で、温度劣化解析、加熱加速試験などの場面で使われます。さらには、特有の単語ではなく、一般的に用いられている言葉でも業界によって異なる意味になることも珍しくありません。

 

 例えば、日常的に使っている言葉でも、分野、業界はもちろん、その時の状況、シチュエーションによって意味が異なってしまうことがあります。一例を挙げると、「表面」という言葉、表面汚染、表面劣化、表面改質など様々な場面で使われています。そして、表面という言葉を知らない人もいないでしょう。しかし、表面と一言で言っても実際にはどれぐらいの領域を言っているのでしょうか。

例えば、

 

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こんな風に分類してみるとどこに当てはまるのでしょうか。

 

 塗膜の劣化に関する場合には、1nm以下の原子オーダーで議論することはほとんどないでしょう。一般的にはサブミクロンからミクロンオーダーでの議論ということになります。一方で半導体分野の人たちにとってみれば、現在のように微細化が進んだ状況ではミクロンオーダーというのは限りなくバルクに近い印象を持つことになります。層間絶縁膜の厚みを考えると少なくともnmオーダーが表面という意味を持つと言えます。

 

 このように、同じ言葉でも分野、業界、そして、状況によって異なる意味になることも珍しくありません。

 

 言葉というのは、情報共有、情報発信において最も基本的なものであり、最も重要な基盤となるものです。しかし、普段はそれほど考えて言葉を使っていないことが多いのが実状です。特に、普段自分が使っている言葉は、意識しなければ当たり前のように使ってしまうものです。それが相手にとっては初めて聞く単語であるかもしれないにも関わらずです。また、一見通じているように見えても、表面の例のように双方が全く異なる意味に捉えていることも珍しくありません。

 言葉は言霊、常に意識して使うことが円滑なコミュニケーションを実現します。

 

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