褒められて嫌な気分のする人はいません。もしも、嫌な気分になる人がいたらそれは褒め方が間違っているために、おだてになっているからです。しかし、叱ることと同様に褒めることも簡単ではありません。一歩間違えば前述のように逆効果になってしまいます。
そこで、今回は褒め方について書いてみたいと思います。
褒めることの一つ目のポイントは、「具体的に褒める」と言うことです。ただ、いい仕事をしたね、とか、いいアイデアだねとだけ言われても具体性が無く、うわべの言葉に聞こえてしまいがちです。しかし、その仕事の何が良かったのか、そのアイデアのどんな部分がどういう風にいいのかを具体的に言葉にして伝えることで、褒めるという行為の重みが増します。
また、この具体的に褒めるということを心がけることで、褒める機会が増えるという効果も生まれます。具体的に褒めるためには良く観察しないといけません。そして、良く観察していると普段見えていなかったことが見えてきます。そんな中には、必ず褒めることが含まれているはずです。
二つ目のポイントは、結果だけでなく「プロセスを褒める」と言うことです。これは、努力や取り組み方(取り組む姿勢)を褒めるということです。現実の世界では必ずしも上手くいく、良い結果が得られるとは限りません。しかし、だからと言って褒めることができないというわけではありません。そのプロセスの中には必ず、賞賛に値することがいくつもあるはずです。
また、このプロセスを褒めるということにおいても、前述の具体的にと同様に観察が要求されます。そして、プロセスを観察する過程で、ミスや遠回りを早く発見できる、悩みの状態を早く発見できるという利点が得られます。それらに適切なアドバイスをすることで成長をドライビングできることはもちろん、関係性も深めることができます。
三つ目のポイントは、「むやみに褒めない」、すなわち、きちんと褒める理由を明確にするということです。当然のことながら、なんでもかんでも褒めれば良いというわけではありません。褒めるに値する対象であることが必要です。それを裏打ちするものが褒める理由です。そして、この褒める理由を適切に相手にも伝えることで、褒める効果も倍増します。
叱ることと同時に褒めることは管理者、マネージャーの重要な役割であり、成長には欠かすことのできないものです。これらのことを心に留めて育成に生かしていただければと思います。
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