「最近の若い人は」という表現はあまり使いたくありませんが、一つの傾向として指示の出し方が難しくなっているのは事実だと思います。自分の未熟さを無視して、揚げ足を取る事など日常茶飯事でストレスをためている管理者の方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はどうすれば人を動かせるのか、人を動かす指示の出し方について書いてみたいと思います。
指示を出す方からすれば、必要だと判断しているからということは当たり前のことであり、拒否されるということは本質的には否定していることが多いと言えます。しかし、指示を出される側からすればその当たり前が理解できないという場合が多いのも事実です。したがって、「当たり前の説明」が必要なのです。
では、当たり前の説明とは何でしょうか。
それは、理由や背景の説明です。なぜそのような指示が生まれたのかということを共有することが重要です。もしもこれが無いままに、何も言わずに言うことを聞けという感じで無理に指示を出せば、それはやらされ仕事になってしまいます。そうなってしまうとモチベーションが生まれないことはもちろん、アウトプットの質も下がってしまいます。しっかりと当たり前の前提を共有することを確実に実行しましょう。
そして、もう一つのポイントは、「視点の切り替え」です。違う表現をすれば、相手の立場に立ってみることであるとも言えます。通常指示を出す側の考えとしては、どうすれば指示通りに動かすことができるかということだと思います。しかし、それは指示を出す側の視点です。そこで、視点を指示を出される側に切り替えてみます。そして、「どうすれば指示を受け入れたくなるだろう」と言うことを考えてみてください。
先の当たり前の共有も実はこの視点の切り替えの延長にあります。すなわち、理由が背景が分かれば納得することができ、やろうという気持ちに変わっていきます。また、指示を受けることによる利を明確にするというのも効果的な方法の一つです。指示を受け入れるときにはどうしてもハードルがあります。そして、自分に利が無い、または、害を感じた時にはこのハードルは当然高くなります。しかし、理があると感じることができればハードルは低くなります。
指示を出すこと、人を動かすことは容易ではありません。しかし、管理者の主たる仕事の一つは指示を出すことであるとも言えます。如何にして、気持ちよく、能動的に部下が動くように仕掛けるかということはとても重要です。