JRLテックログ

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ジャパン・リサーチ・ラボが提供する技術コンサルティング、人材育成、戦略策定、セミナー等の様々なコンテンツに関する情報を提供するブログです

無い数字は作る(予想と概算、フェルミ推定)

 マーケティングや新規事業、新規テーマの企画では、いつも何らかの予想数字を用いることになります。しかし、予想数字はあくまでも予想数字であり、その正確性の判断は容易ではありません。また、場合によってはそういった予想数字すら調べても存在しないということも珍しくありません。

 

 予想数字の正確性は、その数字を導き出すプロセスで決まります。すなわち、前提条件、参考にした情報、そして、仮説です。前提条件では、予想の範囲や限定条件などを決めることになります。参考にした情報は、代表的なものは〇〇白書などの統計資料などが挙げられます。ただし、ここで重要なことはその拠り所とした資料の信頼性、信憑性です。政府発行の〇〇白書であればそれなりにきちんとした調査結果と判断することができますが、中には推定を交えた報告をしている資料もあるので注意が必要です。仮説については、どのような考え方をするかということになります。

 

 拠り所にする情報があっても、無くても、大抵の場合は欲しい情報は簡単に手に入りません。そんな時どうするか、自分で作る(予想する)しかありません。未来、見えない部分を予想して、概算していきます。この方法の代表が、いわゆるフェルミ推定です。

 

 ここで、フェルミ推定の例を一つ実行してみましょう。テーマは、「日本には何台の車(自家用車)が登録されているか」とします。まず、拠り所にする情報を考えなければなりませんが、人口で考えるか、世帯数で考えるかというのが多くのケースで思い浮かぶものだと思われます。人口でということになると、個人単位で考えることになるので、年齢構成や車離れなど要因が多そうです。そこで、世帯数を基盤としましょう。ただ、世帯数の情報は今記憶に無いので、記憶にある人口約1.2億人を元にしたいので平均世帯人数が必要になります。まぁ、1-4人の中に答えがありそうなので平均値を取って、2.5人/世帯とします。で、問題は世帯当たりの車の台数ですが、1-2台/世帯で、これも平均を取って1.5台/世帯という感じでしょうか。ただ、気になるのは、都市部は駐車場の問題もあって少なく、地方では多いでしょうから、これを勘案したいと思います。およそ全人口の3割の人がいわゆる都市部に住んでいる、そして、都市部では1台/世帯、地方は2台/世帯とすると、平均は1.5x0.85[=(3+2x7)/10]で、1.35台/世帯となります。従って、1.2億[人]/2.5[人/世帯]x1.35[台/世帯]=6,480万台となります。さて、答えはというと、2014年の統計で約6000万台の自家用車登録台数という試料がありますので、この推定は概ね合っているということになります。

 

 こんな感じで、無い数字は作るという技術、論理思考を修得するのも重要です。

 

 論理思考を身に付けたい方は、ジャパン・リサーチ・ラボにご相談ください。ご相談はこちらへ。

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今日の格言(お客様は神様?)

「お客様は、神様ではなく、ビジネスパートナーである」

 

 どうしても購入、決裁の最終決定権を持っているお客様が優位にはなりますが、それでも、お客様は神様ではありません。あくまでも、取引相手。むやみやたらと平身低頭、媚びるのではなく、対等な部分もあることを忘れないでおきましょう。

 

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投資信託は公営ギャンブルと同じ!?

 皆さん投資はされているでしょうか。

 技術屋さんはどうしても理屈で物事を考えるので、投資をする場合にも何かしらの納得できる根拠を求める傾向があるように思います。

 

 投資にも様々なものがありますが、その中の一つに投資信託があります。ここでは投資信託の詳しい説明はしませんが、要するに、プロの投資家に資金を預けて運用を任せるというものです。そして、投資のプロが運用するので素人が運用するよりも成績が良いというのが一般的な謳い文句です。

 確かに、プロが運用すれば素人よりも勝つ確率は上がるような気もしますが、常勝というわけには当然のことながらいきません。

 

 そして、投資信託で問題になるのが手数料です。ほとんどの投信商品は、スタート時の購入手数料と毎年かかる運用手数料が必要となります。また、場合によっては換金時(解約時)にも手数料が必要となります。プロが運用するのだから経費が掛かるのはやむ得ないという面はあります。しかし、ここに大きなからくりというか、理不尽とも言えるシステムが構築されています。

 

 まず、スタート時の購入手数料ですが、最近のネットトレードの手数料などと比較してもかなり割高であるという印象は否定できません。そして、何よりも納得できないのは運用手数料です。なんと、運用実績とは関係なく、投資額に対する一定割合となっていることがほとんどです。もちろん、中には異なる商品もありますが、基本的に実績とは関係ないという点は共通しています。すなわち、運用に失敗して損失が出ても手数料は取られるのです。

 これって何かと似ていると思いませんか?そうです、公営ギャンブルである競馬等と同じシステムなんです。要するに、胴元(運営者)は必ず利益が得られるシステムになっているんです。そもそも、運用が上手くいっていないのに定額(定率)の手数料を取るというのが納得できません。

 

 私が考えるに、本来は運用手数料は運用実績連動型であるのが正しい姿ではないかと思っています。もちろん、損失が出るのは自分が運用していてもあり得るので、手数料ゼロというわけにはいかないかもしれませんが、少なくとも連動しているべきでしょう。今のシステムは、前述の通り運用実績とは関係なく運用会社は利益が出るのですから、リスクは全て投資者だけが被ることになります。これでは、本当に真剣に運用されているか疑わしいと思えてくるのは当然です。

 

 最終的に、判断するのは各自ですが、表に見えてくるものだけでなく、その裏に潜んだ真実、実態にも目を向ける必要があるのは、ある意味ではサイエンスと同じかもしれません。

 

 今回は、ジャパン・リサーチ・ラボのテリトリーとは少し違ったことを書いてみましたが、また機会があれば、色々と書いてみたいと思います。

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管理職よ、喋るな、聴け(人事面談のキラーポイント)

 どこの企業でも、年に1,2回の人事面談が実施されていると思います。皆さんはその面談に満足しているでしょうか。満足していると感じておられる方は少ないのではないでしょうか。その理由は色々とあるでしょうが、多くの方に共通するのは、言いたいことが言えなかったということではないでしょうか。

 

 「傾聴」という言葉があります。デジタル大辞泉によると、「耳を傾けて、熱心に聞くこと。」とあります。面談の基本として、ほとんどの管理職の人は管理職研修などで耳にタコができるほど言われたのではないでしょうか。言葉では知っているんです。しかし、実際に面談の場になるとどこかに飛んで行ってしまっているようです。

 

 双方が同時に話せば会話が成立しないことは誰でもわかります。前述のように傾聴という言葉も知っています。しかし、世の管理職の人達は面談で主役になってしまうのです。

 

 良く勘違いされるのは、話している時間の長さだけを問題にしているケースです。大抵の期初や期末の人事面談では目標管理制度との連携になっているので、目標の説明や、やったこと、その結果の説明を求めます。そうすると、自ずと被面談者が話す時間がその分長くなるのは当然です。しかし、本当に言いたいこと、聞いて欲しいことはそれだけではありません。問題は、目標管理関係以外の内容について、どれだけ聞き出せているか、話す場づくりをしているかということです。

 

 特に若手の人は面談自体にも慣れていません。それに加えて、上司部下という関係性の中で積極的に自分からいろいろ話すということは容易ではありません。面談者側が促して、上手に引き出してあげる必要があります。ほんの些細な一言が若手、被面談者を委縮させて、「特に何もありません」という最悪の言葉を発しさせるのです。

 

 ところで、タイトルに「聞く」ではなく「聴く」という漢字を使っていますが、これも意味があります。聞くは音や声を感じとるというニュアンスがあり、聴くには注意して耳に入れる、まさに傾聴するというニュアンスを持っています。この意味の違いを現すために聴くという方の漢字を使っています。

 

 聞くは意識しなくても勝手に耳に入ってきます。しかし、聴くは強く意識しないと認識できません。意識して、内面にまで切り込んで聴くということを実践してみて下さいそうすれば、それまで見えていなかった一面を知ることができるはずです。

 

 面談のやり方、方法、コツ、ポイントが分からずお困りの方は、ジャパン・リサーチ・ラボにご相談ください。ご相談はこちらへ。

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今日の格言(尖った優秀な人材とは)

 世の中では尖った人材が欲しいという声を良く聞く。しかし、トゲトゲでは使えない。では、有能な尖った人材とはどんな人材か。

 

 それは、

  「柔らかいツノを持った人材」

である。

 

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セミナー(研究開発成功のために必要な技術者思考とその実践 )

下記セミナーを開催します。

 お申込みは、HPのお問い合わせボタンよりお願いします。

 

【タイトル】

「研究開発成功のために必要な

技術者思考とその実践」セミナー

 

 

【概要】

 日本の高い技術力は、言うまでもなく飽くなき探求心に基づく研究開発の歴史によるものである。しかし、時代の変遷と共により高いレベルでの研究開発と同時に、スピードと効率性も強く求められるようになってきている。これらの要求に対応すると同時に研究開発の目標を達成するためには、目標設定、研究開発のための思考力、計画力、実行力や、これらを支える仮説思考と検証力を持って目的志向で考え、進めることが必要となる。そして、これらを駆使することで得た結果を成果とするためには、コミュニケーション力、情報発信力も必要不可欠となる。このように、今後の研究開発成功のためには、従来に増してより高いレベルでの、様々な思考力や能力が求められており、ただ漠然と研究開発を進めていては、他の技術者や同業他社、ひいてはグローバルな生存競争に勝ち残るのは困難といわざるを得ない。
 本講では、様々な研究開発の場面はもちろん、製造トラブルなどの問題解決においても必要となる、技術者としての考え方、進め方について詳細に解説する。

 

【受講対象】
 ・新入社員から経営層まであらゆる階層
 ・実験量ばかり多く成果に結びつかない人
 ・結果が何を意味するのか見い出せない人
 ・仮説思考、論理思考が苦手な人
 ・ゴールに繋がる計画が立てられない人
 ・データと情報に埋もれて溺れている人
 など

 

【修得知識】

 ・目的志向でゴール設定し、確実に目標達成する力
 ・仮説思考でロジックを構築する論理思考力
 ・埋もれた情報を掘り起こす多面的複眼視点
 ・熱い思い(Passion)と冷徹な判断力を兼ね備えた技術者となる
 ・ストーリー力と俯瞰視点が形作る最適化力
 ・結果を結論に加工して成果に昇華するアウトプット力
 など

 

【開催日】

  2018年4月26日 10:30~16:30

【会場】

   江東区産業会館

【受講料】

  49,980円(税込)

 

【プログラム】

1.企業における研究開発
  1-1 Not Academia
     -企業の研究開発に求められること
  1-2 結果を成果へ
     -研究開発を成果に結び付けるプロセスとは?
  1-3 魔の川・死の谷・ダ-ウィンの海
  1-4 三位一体
     -開発・製造・販売
  1-5 巻き込み力
  1-6強み伝い
     -自社の強みを活かすために
  ほか
2.目的と目標
  2-1 目的(ゴ-ル)の確認
  2-2 目的と目標
     -研究開発における位置付け
  2-3 目的の条件と効能
     -必要なこと・得られるもの
  2-4 判断基準・目標の条件
     -客観的、定量的に
  2-5 「うれしさ」視点
     -なぜやるのか?なぜがんばるのか?
  2-6 目標設定のためのSMARTル-ル
     -目標設定の際に注意すべき5つのこと
3.開発計画と実行
  3-1 目的・目標の計画化
  3-2 ロ-ドマップの役割
  3-3 スト-リ-メイクの重要性
     -得られる様-な効能とは?
  3-4 ポジショニング(ベンチマ-ク)
     -自社の業界での立位置・置かれている立場と持っている武器を認識する
  3-5 課題設定による計画化
  3-6 インパクトファクタ-
     -優先度・重要度を決める基準
  3-7 イシュ-ドリブン
     -「解決すべき課題」を探す
  3-8 ディシジョンポイント(ステ-ジゲ-ト)
     -Go & Stopを決めるタイミングと判断基準
  3-9 リスク評価とヘッジ
     -予測可能なもの・予測不可能なもの
  3-10 Perfect  Close
     -完了の条件と撤退の判断
  3-11 研究開発型PDCA
  3-12 基本となるフロ-
  ほか
4.研究開発のための思考力
  4-1 目的志向とアウトプット志向
     -実験は何のため?
  4-2 俯瞰視点と仰望視点
  4-3 ロジックと逆走型思考の併用
     -「答え」から問題を作る
  4-4 メタフィ-ルド思考
     -他分野・異分野視点
  4-5 イメ-ジ思考
  4-6 情報階層
  4-7 2種類のカン
     -知識・経験に裏打ちされた感を持つ
  4-8 失敗からのリカバ-
  4-9 認知バイアスの罠
     -誰もが陥る思い込みの罠
  4-10 目利き力
     -研究開発における「目利き」とは
  ほか
5.思考の道具
  5-1 本当のフレ-ムワ-ク
  5-2 概算力
     -論理的推定による全体の把握
  5-3 チャンク思考
     -階層化による共通性・相関性の認識
  5-4 If then思考
     -仮説検証の重要性
  5-5 思考の拡張
     -階層とチェックリストの活用
  5-6 目的達成の要素
     -手強い課題は分解する
  5-7 抽象化と具体化
  5-8 アイデアの源泉
  5-9 本当のブレ-ンスト-ミング
  ほか
6.仮説と検証
  6-1 仮説が必要な理由
     -仮説は実験の根幹、研究開発の道標
  6-2 仮説の重要性と考え方
     -「できる」という前提
  6-3 仮説の精度と確度
      -大きく間違った仮説、小さく間違った仮説
  6-4 仮説の精度を決めるもの
  6-5 仮説→課題設定
  6-6 情報(デ-タ、結果)の条件
      -多い程良いか?詳細であれば良いか?情報の意味と価値は1つではない。
  6-7 実験の本当の意味と考え方
  6-8 検証の条件
      -完全な結論とは?
  6-9 実験の神髄
      -実験結果はデ-タ(数字)だけにあらず
  6-10 ロジックの条件
      -情報(デ-タ、結果)が事実でもロジックが破綻すれば意味がない
  ほか
7.分析の使い方
  7-1 実験と分析
     -かける時間の配分は?
  7-2 「視る」こと
  7-3 デ-タ解釈における認知バイアス
     -認知バイアスの影響を減らすには?
  7-4 デ-タ解析の重要性
     -同じ結果が出ても実際は全く異なることも
  7-5 解析の落とし穴
     -沢山の落とし穴が存在
  ほか
8.コミュニケ-ションと情報発信
  8-1 コミュニケ-ションとは
  8-2 Passion
     -心を動かすもの
  8-3 非言語コミュニケ-ション
  8-4 信頼の条件
     -信頼関係を築くために必要なこととは?
  8-5 技術者の報連相
     -一実験報告で押さえておきたい事柄とは?
  8-6 Evidence  &  Story
  8-7 技術プレゼンの基本基礎
  ほか
9.研究者の心得
  9-1 探究心と追求心
  9-2 研究者の成功要素
     -知識・発想力・・・その他必要な要素とは?
  9-3 サイエンスのゴ-ル
     -真に求められるものとは?
  9-4 モチベ-ションの真理
  9-5 やってみなければ分からない?
     -研究開発において重要なこと
  9-6 知識と知恵
     -知識の集合が知恵を創る
  ほか
10. まとめと質疑

ブランドとは何か

 皆さんブランドというと、多くの方はヴィトンやエルメスなどの服飾関係を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに、辞書(デジタル大辞泉)を調べると、

「銘柄。商標。特に高級品として有名な商品と、その商標。」

とあります。確かに一般的にこのような意味になるでしょう。

 しかし、今回は経済活動、経営戦略における商品ブランドや企業ブランドについて考えてみたいと思います。

 

 ブランディング戦略という言葉もある通り、現代では企業活動において「ブランド」は極めて重要な役割を持っています。このことは誰もが認めることですが、果たしてどれぐらいの人が、ここで言う「ブランド」という言葉の意味を正しく認識しているでしょうか。

 

 ブランドにも様々なものがありますが、現代において最も重要なブランドは、「安全・安心ブランド」であると言えます。これは、最低限必ず持っているべき必須のブランドであるとも言えます。例えば、世界的に見て日本の家電品や車はこのブランドを持っていると言って良いでしょう。一方で一部の国の製品はやはり今でも安かろう悪かろうというイメージは強く、その意味でこの安全、安心ブランドは持っていないと言えます。この意味でのブランドは前述の通り必須の最も重要なものであり、このブランドが崩壊することは、企業が崩壊することと直結しています。過去にも、例えばある乳製品メーカーが製品事故を起こして結局は社名が無くなるという事態が起きています。また、ストーブで事故を起こして何年も経っているにもかかわらず未だに定期的に広告を出しているメーカーもあります。このように、安全・安心ブランドは企業の根幹にかかわる重要なものです。

 

 また、一見ブランドになりそうにない価格もブランドになります。例えば、絶えず業界最安値で良い製品を出しているメーカーはこの価格ブランド持っていると言えます。すなわち、この価格ブランドを確立すれば顧客はそのメーカーの製品はコストパフォーマンスの高い製品であると認識して、第1選択肢の候補となることができます。しかし、安いが壊れやすいなど価格ブランドが崩壊しているメーカーは逆に候補から自動的にはじかれることになります。

 

 この他にもたくさんのブランドがありますが、ブランドを一言で言い表すなら「信用」であり、「顧客との約束」であると表現できます。また、もう少し別の言い方するなら「顧客に最初に思い浮かべてもらえること」です。皆さんのこの観点で、自社のブランドを見直し、独自のブランドを形成することに努力して下さい。

 

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