誰もが、日々の業務の中ではもちろん、日常生活においても様々な決断に迫られているかと思います。しかし、誰しも決断は簡単なものではなく、様々なことを考えて、迷いに迷ってしまうものです。そして、時には決断できないという状況も生まれます。理由は簡単です。誰しも失敗や痛手は避けたいと思うからです。しかし、残念ながら未来は誰にもわからず、また、100%失敗や痛手を避けることも困難です。一方で、どうしても決断しないといけないこともあります。
そこで、今回はこの決断をするときに考えるべきこと、決断の方法について書いてみたいと思います。
決断の考え方について書く前に、そもそも「決断」とは何かについて整理しておきたいと思います。デジタル大辞泉によると、
「1 意志をはっきりと決定すること。
2 正邪善悪を判断・裁決すること。」
と書かれています。
要するに文字通り何かを決めること、ということになります。
しかし、私が考えるところでは、もう少し状況について説明が必要です。すなわち、決断とは基本的に未来のことについて何を決めることです。例えば、戦略の策定や計画の実行、撤退するかどうか、などいずれもこれからのことについて決めることです。この点についてもう少し深掘りしてみると、その決断の時の状況としては、ほぼ必ず不明な点、分からないことがあるということです。
したがって、決断とは、
「不明瞭なことがある状況で何かを決めること」
と言えるでしょう。
では、このような定義のもとに決断するときに考えるべきことはなんでしょうか。
様々な選択肢を考えたり、障害を想定したり、その障害に対する対応を考えたりと、挙げだせばきりはありません。しかし、それらを考える以前に明確にしておかなければならないことがあります。それは、「内的要因」と「外的要因」を区別することです。
内的要因とは、自分自身の中に帰属(内的帰属)できることです。これは、言い換えると自分自身でその最終状態はもちろん、そこに至るプロセスについて決定できることです。
これに対して、外的要因とは、自分以外のところに帰属(外的帰属)されることです。こちらは、自分自身ではその状態やプロセスについて蹴ってできないことです。
すなわち、内的要因と外的要因を区別するとは、言い換えると、自分で左右できることとできないことを区別するということです。外的要因は自分で左右できないことについて、「どうしよう」と悩んだところで、どうしようもないのですから無駄だと言えます。このようなものに対しては、どうしようとそれに対して影響を与えることを考えるよりも、それが起こった時にはどう対応するということを考えることに注力すべきです。
一方で、一方で内的要因は自分で左右できることなのですから、積極的に働きかけて、自分の望む状況に誘導する方法を考えなければなりません。自分には何ができるのか、自分がどうすればどのような方向に進んでいくのかということを深く検討して、より有利な状況に変えていくことに注力すべきです。
得てしてこの二つ(内的要因と外的要因)の区別ができなくなり、どうにもならないこと、考えても状況は変わらないことに労力を割いてしまった経験が誰にもあるはずです。できることは、労力、時間共に限られていますから、どこにそのリソースを割くのかを適切に判断しなければなりません。すなわち、優先順位を付けるということです。
決断に迫られたとき、誰しも迷いがあるものです。しかし、そんな時こそ、俯瞰的に全体を客観的に見ることが重要です。
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