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交渉における二つの落とし穴(アンカリング、二分法の罠)

 交渉の場において注意すべきことは数多くありますが、その中で気付かずに陥りがちな落とし穴を二つ紹介します。

 

 一つ目は「アンカリングの罠」です。もっともよくあるパターンは、海外の観光地のお土産屋さんなどで「ふっかけられる」という状態です。すなわち、最初に高い値段を出すことで、交渉のベースを高めるということかを狙っています。妥当な金額が分からない場合は、どうしても最初に提示された価格をベースを交渉を進めることになりがちなので、そこにアンカリング効果が働きます。

 

 また、同じようなケースで少し違ったアンカリングでは、客の側が10%引いて欲しいというよう交渉でスタートした場合、実際には様々な交渉のパターンがあるにもかかわらず、交渉の土俵は値引きにフォーカスされることになります。これも、アンカリングの一種です。

 

 通常のビジネスにおける交渉でも、同じようなアンカリングの罠は存在します。当然ながら価格交渉が代表例として挙げられますが、それ以外にも契約の内容、権利の主張など様々な要素でアンカリングの効果が働きます。契約の文面で最初に自分たちに極めて有利な雛型でスタートするなどの手法です。

 

 このようなアンカリングの罠に陥らないためには、自分の中で絶対的な基準、条件を持っておくことです。価格であっても、契約の内容であっても、この要求は必ず通したい、これを超える要求は受け入れられないなどの基準、条件を持っておくことでアンカリング効果の影響を抑制することができます。

 

 また、アンカリングとよく似たものに、「二分法の罠」があります。これは、相手に回答を求めるときに、イエスかノーかで答えを求めるやり方です。ここでも一種のアンカリング効果が働いて、実際には様々な選択肢があるにもかかわらず、イエスかノーかで答えなければならないと錯覚してしまうことがあります。

 

 このように、人間の真理は容易に操作されてしまう側面も持っているので、常に冷静で客観的に対応していくことが交渉の場においては重要なものとなります。

 

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