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交渉、提案のポイント・コツ(相手を予想する)

 交渉や提案においては、本番前の準備が非常に重要となります。情報の無いまま交渉に臨むということは、まさに特攻するようなものであり、暗闇に突入するとも言えます。そこで、様々な情報を事前に手に入れて、それを元に少しでも有利に交渉を進めようと誰もが考えます。集める情報の中で最も重要なものは言うまでもなく、相手の情報です。

 そこで、今回は交渉の準備における情報収集の中でも、特に交渉相手に関する情報について書いてみたいと思います。

  前述のように、交渉においてはその準備段階で様々な情報収集を行い、それらを元にして交渉戦略を練ります。しかし、残念ながら全てのことが事前の情報収集で分かるわけではありません。特に、最も重要である交渉相手や提案相手の頭の中、すなわち、相手が考えていることは最も分かりにくいものの一つです。従って、相手に関する交渉や提案の準備をするときには、相手の考えていることを予想することが必要となります。

 

 一言で予想と言っても相手も色々なことを考えているでしょうから、漠然と予想しようとしても前に進みません。そもそも他人の頭の中を除くことなどそう簡単にできるものではありません。しかし、全く何もわからないかというとそんなことはなく、根本となる欲求や周辺情報から類推することは可能です。

 そこで、まずは交渉や提案において重要となる相手の考えを整理してみたいと思います。

 

 一つ目のポイントは、相手が何を求めているか、何を目的としているかということです。例えば、何よりも合意することを優先しようと思っているのか、合意が不調に終わっても良い、何よりも自分の条件を通すことを全体条件としているのかで全くこちらの戦略は変わってきます。すなわち、相手が攻めの姿勢なのか、守りの姿勢なのかということが分かるだけでも大きな情報となります。そこで、求めている事や目的といった相手の優先事項を予想します。

 

 二つ目のポイントは、相手のデッドライン、言い換えると妥協限界を予想することです。これによって、こちらの提案のスタートライン、目標値の設定を行っていきます。ここを予想し間違えると、交渉や提案は堂々巡りになって時間ばかりを浪費することになってしまいます。いきなりデッドラインを割ってしまっては交渉は難航を極めるでしょう。ギリギリのところを設定するのが理想であることは言うまでもありません。

 ただし、別の考え方として、相手のデッドラインを予想したうえで意図的にそれを割って、アンカーリング(別項参照)してしまう方法もあります。それによって相手のデッドラインを動かすという戦略です。

 

 3つ目のポイントは、相手の知識を予想することです。もう少し具体的に書くと、

  相手が知っていること

  相手が知らないこと

  相手が知りたいこと

ということになります。これらを予想することで、こちらからどのような情報を提供するのが適当なのか、何を秘匿することが交渉や提案を有利に進める手助けとなるのかを考えることができます。言うなれば、情報操作をすることで相手をコントロールするという方法です。与える情報はこちらの手札として武器になります。

 

 敵を知り、己を知れば百戦危うからずという言葉もあります。相手が分からないままでは、戦略も作戦も考えることはできません。まずは、相手の立場に立ってみて、相手の頭の中を想像することが重要です。

 

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